どんなママも、みんなラッキーだよ


日本に着いた最初の週の日曜日に、甥の中学校の運動会に行ってきた。

姪(高校生)と甥(中学生)は同じ私立の学校に通っていたので、その日は姪も学校に来ていた。

甥達の学校に行ってみて最初に驚いたのは、その学校があまりにきれいなことだった。

その数日前にノッコの小学校に挨拶に行ったのだけれど、建物もかなり古くて所々痛んでいたし、中庭も雑草でぼうぼうだった。

けれど甥達の学校は建物が眩しいくらい新しく、校庭もしっかり手入れしてあってきれいだった。

運動会の途中で一度風太をトイレに連れて行った時も、あまりにトイレがピカピカすぎて驚いてしまった。

そんな校舎を見て、これが公立の学校と私立の違いなのかぁと改めて思ったりした。そしてそんな学校で勉強できる甥と姪は幸せだなぁとも思った。

そんな私立の高校に通っている姪は来年大学受験で、そのために今一生懸命準備している。

とてもおだやかでやさしい姪は、どんなにノッコ達がしつこくしても絶対に怒ったりせず笑顔で一緒に遊んでくれるのだった。

そんな姪は、将来保母さんになりたいそうだ。

私も姉も彼女にはぴったりの職業じゃないかと思っている。

甥が競技に参加している最中に、姪の友達がノッコや風太を見たいと言って私たちのテントにやってきた。

若い女の子に遊んでもらうと人一倍ハイパーになってもらうノッコと風太は、もう大はしゃぎ。

お友達はそんなノッコ達にちょっと疲れてしまったようだけれど、姪は変わらず楽しそうに子供達と遊んでくれた。

それを見ていても姪がどれくらい子供好きなのかがよくわかった。


中学生の甥も「反抗期」という言葉を知らないかのように私の姉と仲良しで、性格も素直でやさしかった。

ただ普段でさえ口数の少ない彼が今声変わりをしているせいでもっと無口だったため、私とはほとんど口を聞いてくれなかった。

それでも「友達にノッコと風太を見せてくる」と言っては子供達を連れ出し、クラスのお友達と写真を撮ったりしていた。

ノッコ達の行儀の悪さのせいでいつも肩身の狭い思いをしていた私には、まるで二人を自慢するかのように子供達を友人に紹介している姪と甥の存在がその時はとてもうれしかった。

お昼を食べてからは、甥の障害物競走が始まった。

まだ中学二年生なのに170センチ以上もある甥は、まるでスポーツ万能のような体格をしているのに、実はそんなに運動は得意でないらしい。

外見とのギャップによくがっかりされることが多いので、本人も気にしていると姉は言っていた。

甥は鹿のような長い手足を振って障害物競走をがんばったけれど、結果は最後から2番目だった。

少し恥ずかしそうに退場していく彼に、ノッコがピースサインをすると彼もうれしそうに笑った。

それからまた姪がノッコと風太を連れて友達の所へ行ってしまうと、姉が

「そういえばこの間さ、、」と言って姪に関するエピソードを教えてくれた。

姪には一年前ぐらいから付き合っている彼氏がいたのだけれど、最近別れてしまったらしい。

夜中に泣きながら姉にその話をした姪は、「今晩ママの部屋で寝ていい?」と聞いてきたそうだ。

姉が「いいよ。」と言ってお布団を敷いてあげると、姪は姉の手を握ったままスーと眠りについたそう。

「えー、18歳なのにかわいいねー。」

私が思わずそう言うと、

「かわいいでしょう。もう一人前みたいな顔してるけど、実際はまだまだ子供なんだよねー。あれで来年大学生になるなんて信じられないよ。」

姉も笑いながらそう言った。

「でもそういう風に何でもお母さんに話してくれるのっていいよね。」

「うん。」

「アミもカイも本当にいい子達だと思う。」

私はしみじみそう言った。

「そうなんだよね。今から考えると二人ともすごく育てやすかったと思うんだ。それなのになんで二人が小さい頃はあんなに毎日ガミガミ怒ってたんだろうって思うんだよ。」

「その当時はお姉ちゃんも自分がどれくらいラッキーだったかを分かっていなかったんじゃない?ノッコと風太を育てている私からみるとホントそう思うよ。」

「確かにアミとカイは大人しかったからね。でもノッコと風太もかわいくて元気でいいじゃない。私もいつも二人の写真を友達に見せて自慢してるよ。あんなかわいい子供達がいて、さわちゃんもかなり恵まれてるよ。」

「そうかな。 まあ確かにどの母親も子育てで必死な時は自分がどれくらいラッキーかなんて思いつかないのかもね。私なんか自分が今世界で一番苦労してる母親だと思ってるから。」

「あはは。私もそう思ってたよ。でもさわちゃん、あんな風に何をしてあげても喜んでくれる時期はあっという間に終わっちゃうから、今の時間を思いっきり楽しんだ方がいいよ。」

「そうだね。ありがと。」

日本に着いてから子育てについて何かと落ち込み気味だった私には、こうした姉の言葉がとても心地よく、大きな慰めとなった。

その時の私には、こんな姉の存在がとてもありがたかった。

姉とは何でも話し合えるし、話すと落ち着くし、彼女の言うことにはいつも説得力がある。

確かにノッコと風太は、いつだって全身で何でも楽しもうとする。

そしてその楽しい気持ちをどんな人にも分かるくらい思いっきり表現する。

だから周りの人を自然と楽しい気分にさせてしまう。

この究極の子どもらしさは、確かに彼らの長所なのかもしれない。

その時はそんな風に謙虚になれた私だったけれど、車に乗った途端ケンカしだしたノッコと風太を見たら、そんな気分はすぐに吹っ飛んでしまった。

そしてノッコがシートの線よりはみだしただの、風太が足で蹴っただのごちゃごちゃ言い争いをしている二人に「いい加減にしなさーい!」と怒鳴ってしまった。



「どんなママもみんなラッキーだよ。」

そう言った姉の言葉は、一瞬にしてその信憑性を失なった、、、、、、、ように思えた。

けれど実は、

いまでも私の頭の隅で静かに響いている。




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いつも拝見しています

初めまして。いつもブログ拝見させていただいております。
4歳の女の子、0歳の男の子の母です。私も日々必死で、4歳のお姉ちゃんを怒鳴り散らし、子供達が寝静まると反省する毎日です。。
お姉さまの言葉、涙が出ました。数年後私も同じことを思うのかな、今を大切に子供達と接したいなと思いました。また私もお姉さまの言葉を忘れてしまいそうな予感がプンプンしますが、それでも胸に留めていけるようにしたいと思っています。
ありがとうございます。
さわこさんの子育て日記いつも楽しみに拝見しています。お互い子育て育児家事仕事と本当に忙しいですが頑張っていきましょう。日本より応援しています^_^

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Re: いつも拝見しています



きゃなさん、

コメントをありがとうございます。
そして返事が遅くなってしまってすみません。

4歳と0歳のお子さんを育てていらっしゃるということで、大変ですね。
0歳は本当にかわいいけれど目が離せないし、4歳は色々なことを理解できるようになったけれど、同時に自我が芽生えて反抗的になりがちですよね。
それについつい𠮟っちゃうのは、やっぱり上の子なんですよねー。いけないいけないと思っていても、、、。

姉の言葉に共感してくださってありがとうございます。
確かに私たちは、健康な子供を育てているだけでもラッキーなんだろうなぁと思うことがあります。
今アメリカでは、尊厳死で亡くなったイギリスの赤ちゃんのニュースで持ちきりですが、ご両親の気持ちを思うと胸が痛みます。

子供達が健康で、普通に生活してくれている。
本当はそれだけでもう十分なんですよね。
それなのにいつも「ああだったら」」「もっとこうだったら」と無い物ねだりばかりしてしまいます。

今日も兄弟喧嘩してギャーギャー泣いている二人に「こらー!」っと怒鳴ってしまいました。
でも二人が寝てしまったあとは、そんな自分を反省し(同じですね)自分が本当はどれくらい恵まれているのかについてゆっくり考えたりしています。

きゃなさん、日本からの応援ありがとうございます。
これからもお互いに子育てがんばりましょうね!

Re: 毎日かあさん

鍵コメさん、

(勇気を出して)下さった2回目のコメント、ありがとうございます! とてもうれしいです。
そして私のブログをそんなに長く読んでくださって本当にありがとうございます。
ここ数年はかなり更新が遅れ気味ですが、鍵コメさんのような存在があるからこそ、私はほそぼそとブログを続けていけるのです。

それにしても西原理恵子さん、すごくいい事おっしゃっていたんですねー。
あまりに素敵な言葉で、鍵コメじゃもったいない気がしたのでここで引用させてください。

『家事なんかしなきゃよかった
 家なんてもっと汚くてよかった
 洗濯物もためちゃえばよかった
 食事なんか手作りすることなかった
 あんなに抱っこしてほしがってたのに
 もったいないことしちゃったなあ』

私も正にこんなこと考えていたところです。
今はジョンと一緒に家の修理(リフォーム)をしていて、そちらにばかり気を取られて全然子供達と遊んであげられないんですよ。
話も全然聞いてあげてないし。
でもあと何年かしたら、「遊んでー」って言ってきたり、ひざに乗ってきたりしなくなっちゃうんですよね。
だから自分の中の優先順位をちょっと見直さなくちゃいけないなと思っていたところです。
もっといっぱいいっぱい子供達を抱きしめてあげたいなと思いました。

思わずハッとしてしまうような素敵な言葉をご紹介くださってありがとうございます。
これからもこのブログをよろしくお願いいたします。

そして3回目のコメントもお待ちしています!

かずさ さんへ

かずささん、

拍手コメの方にコメントありがとうございました。

これからもこのブログをよろしくお願いいたします!
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さわこ

Author:さわこ
在米のさわこです。売春、ドラッグ、破談などの障害を越えてようやく家へきたノッコと風太の養子縁組のお話を綴っていきます。

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