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夜中に「痛い!」

* これは前回の記事の続きです。

昼寝から覚めて急に「耳が痛い」と泣き出した風太。

どんな風に痛いのか、何が痛いのか訊いても、とにかく泣き叫ぶだけで答えてくれない。

一瞬「もしかしたら中耳炎かな?」と思ったけれど、10分ぐらいすると急に泣き止んでそのままスーッとまた眠ってしまったので、(寝方が悪くて耳が痛くなっただけかな)とも思った。

学校訪問と時差ボケでかなり疲れているようだったので、その晩はそのままご飯を食べずに寝かせることにし、風太をお布団のある部屋に連れて行った。

結局その日風太は5時から寝についたことになり、この分だと明日の朝は3時か4時頃に起きちゃうなー。

その時の私はそんなことを心配していた。

そしてご飯を食べ終わった私とノッコもかなり疲れていたので、そのあと割とすぐに寝に入ってしまった。

そしてその晩の夜中1時ごろ、

「うわーん!」という風太の悲鳴のような泣き声で叩き起こされた。

「どっ、どうした、風太!」

ビックリして風太の顔を覗き込むと、風太は左耳を抑えながら「耳が痛いー!」と、のたうち回っていた。

「耳が痛いの? ちょっと見せて。」

そう言って風太の左耳を見ようとすると、風太は狂ったように泣き叫びながら私の手をパシパシ叩いて「触るな」と言っているようだった。

これはただ事じゃない痛さだと思った私は、すぐに中耳炎を疑った。

もしも中耳炎だとしたら、膜に穴を開けて膿を出してもらえば痛みは治るはずだと思った。そして抗生物質ももらわなくちゃ。

でも明日耳鼻科に行くまでこんな痛さに耐えてくれるかな。

それとも今すぐ救急室に連れて行った方がいいのか。

でもぐっすり寝ている父親を起こすのも悪いし、、、。

私が迷っている間も風太は足をバタバタさせながら、「痛いー」と泣き叫んでいた。

そんな風太を見て

(よし、救急室に連れて行こう。 もしも中耳炎でない他の病気だったりしたら大変だし。)

そう決めた。

けれど一つ問題があった。

それは医療保険。

私たちは国保に入っていないので、アメリカの保険会社に中耳炎が救急な病気とされているのかを確認しなければならなかった。

早速保険会社に電話すると、救急室に行った場合の治療費はほとんどがカバーされると教えてくれた。

そして私が「中耳炎も救急の病気の一つですか?」と訊くと、

「息子さんは4歳なんですよね。そしてすごく痛がっているんですよね?だったら救急室に連れて行くべきです。」とその人ははっきりと言った。

その言葉を聞いて私の迷いはスーッと消え、電話を切った後すぐに隣の部屋で寝ている父親を起こした。

「お父さん、悪いんだけど、風太を救急病院に連れて行ってくれる?中耳炎になったみたいですごく痛がってるんだ。」

「おっ」

そう言って寝ぼけたような、ビックリしたような顔をして起き上がった父は、

「あいよ。」

そう言ってすぐに出かける準備をしてくれた。

それから急いで風太を車に乗せて真っ暗な田舎道を長々と救急病院に向かった。

ようやく大きな病院の小児科救急対応室に着いた。

ノッコや風太が赤ちゃんだった頃、二人はよく喘息のような症状を起こして救急室に運ばれたことがあったので、私は日本でもアメリカのような救急室を想像していた。

アメリカの小児科救急室は夜中でも人でごったがえしていて、部屋に通されたあとも看護婦やアシスタントの人たちが入れ替わり立ち代り対応するのでちょっと落ち着かない。

呼吸の検査や血液検査なども次から次へとさせられ、そのあとドクターが診断書を書き薬を処方してくれる。

けれど日本の実家近くの救急室は、とても閑散としていた。

私たち以外に患者は一組しかいず、マスクをした受付の人も淡々と事務的に対応するだけだった。

しばらく席について待っていたけれど、父親の咳ひとつが待合室全体に響くような気がした。

知らない所へ来た緊張感とその異様なほどの静けさのせいか、さっきまで「痛い」と泣いていた風太が救急室に来て急にだまってしまった。

10分ぐらいすると名前を呼ばれたので、父と一緒に診察室に入った。

「今日はどうされましたか?」

やさしそうな30代の男性のドクターがそう訊いた。

「はい、今日5時ごろ昼寝から覚めた際に耳が痛いと言い出して、そのあとまた少し寝たんですが、また夜中の1時ごろに痛いと起きだしたんです。あんまり泣くのでとりあえず先生に診てもらった方がいいかなと思いまして。それにここ数日頻繁に鼻血を出しているので、それも気になって、、。」

「そうですか。痛いのは両方の耳ですか?」

「いいえ、左の耳だけのようです。」

「そうですか。じゃあ、ちょっと診てみましょうか。」

そう言って、ドクターは風太の左の耳を検診した。

すると驚いたことに彼は、

「大丈夫ですね、中耳炎ではないようです。中耳炎の時のように膜が赤く腫れてませんから。」

「えっ? そうなんですか? でもすごく痛がっていて、、、。それにさっき受付で熱を測ってもらったら37度以上あったので、炎症を起こしているんだと思ったのですが。」

「いえ、中耳炎ではないです。それに今はだいぶ落ち着いているようですので、とりあえずは様子をみるということでいいでしょう。明日耳鼻科を受診してください。」

「はい、、、。」

なんともすっきりしない診断結果だった。

だってこんな夜中にこうして救急室まで来たのは、なんとかして痛みをやわらげてもらうためだったのに。

膿を出してくれるとか、痛み止めを処方してくれるとか、抗生物質を出してくれるとか。

そのうちのどれかでもしてもらえれば気が治まったのに、そのどれも叶わないなんて、、、。

でもドクターが「中耳炎じゃない」と言うのだから、これ以上私がそこでできることは何もなかった。

「ではアメリカの保険会社に診断書を送らなければならないので、診断書のコピーをいただけますか?」

「えっ?そんなものは書きませんよ。」

「えっ? そうなんですか? でも診断書がないと、なんのために来診したのか相手には分からなくなってしまうので、、。」

私がそう言うと、ドクターは露骨に面倒くさそうな顔をして、

「そういうことは受付と話をしてもらえますか?」と言い、私たちに出て行くように促した。

ドクターに言われた通り受付で診断書について問い合わせると、平日もう一度来院してメインの受付で聞いてみて欲しいと言われた。

そしてあの5分の診察で1万8千円を請求された。

私は帰りの車の中でもかなりモヤモヤしていたのだけれど、でも確かに風太は病院に来る前よりずっと落ち着いていたし、耳も以前ほど痛くないようだったので、とりあえず救急室に行ったことはよかったのだと思うことにした。

そしてようやく家に着き、玄関を上がった風太が

「うわー ママー!」と大声を出した。

「どうした、風太?」

私がそう訊くと、左耳を抑えた風太が、

「お水。 耳からお水出たー。」と言った。

えっ?


やっぱり、

中耳炎だったんじゃないかー!


つづく





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No title

夜間救急のレベルは低いですね。特に耳鼻科は緊急なものとは認識されていないので。
私の妹は田舎に帰省中に「耳に虫が入って鼓膜を破られそう!」って夜中に言い出して夜間救急に行ったのに耳の中も見ずに「中耳炎でしょう。」って帰されて絶望していました。
結局自分でライトを当てて綿棒で虫を引っ張り出しましたよ。部屋の花に着いていた小さな虫が耳に入り込んだようでした。
風太くん、可哀想でしたね。

Re: No title


まゆさん、

コメントありがとうございます。

まゆさんの妹さん、そんな経験をなさったんですね。
それにしても虫が耳に入るなんて、、、。想像しただけでも恐ろしいです。
そんな藁にでもすがりたい気持ちで救急室に言ったのに「中耳炎でしょう」だなんて。

一般的に夜間救急の先生は、あまり何もしてくれないのでしょうか。
それとも母の言うように、専門医でもない先生に色々期待する方がいけないのかな。

まゆさんの妹さん、自力で虫を取り出せてよかったですね。
ちょっと尊敬ものですよ、その行為。

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さわこ

Author:さわこ
在米のさわこです。売春、ドラッグ、破談などの障害を越えてようやく家へきたノッコと風太の養子縁組のお話を綴っていきます。

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