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子供を信じることの難しさ

* これは去年の夏頃のお話です。


ノッコを日本の小学校に通わせることが決まった時、私にちょっとした悩みが生まれた。

それはノッコを日本の小学校の一年生に入れるか二年生に入れるかという問題だった。

ノッコはアメリカの現地校では一年生を2回繰り返したので、年齢は7歳だったけれどまだ一年生に在籍していた。

アメリカで通っている日本語補習校でも一年生だった。

だから2017年の夏には、現地校でも日本語学校でも2年生になる予定だった。

けれどノッコの日本語はほんとに「トホホ」な感じだったので、このまま日本の小学校の2年生に入れたら、何の授業をしているのかも分からず勉強についていけなくなるんじゃないか。毎朝「学校に行きたくないー!」と泣くんじゃないかと心配していた。

だったら日本の小学校の一年生に入れて、もう補習校で勉強したひらがななどのおさらいをさせた方がいいのかも。そうすればノッコも他の子よりできる自分に自信が持てるかも。

などと考えていた。

それをジョンに相談してみると、

「僕はノッコを予定通り2年生に入れた方がいいと思うな」と言った。

「でも勉強がわからないと、授業が楽しくなくて学校にも行きたがらなくなるよ。」

「うん、それはそうかもしれないけど、学校生活で大切なのは勉強より友達と遊んだりすることじゃない? ノッコを一年生に入れたらノッコよりずっと年下の子達と遊ぶことになるよね。ノッコはそれじゃ物足りなくなるんじゃないかな? もっと同じ年齢ぐらいの、同じようなことに興味があるお友達と遊んだ方が楽しいんじゃない? 」

「うん、、、。」

「日本の小学校に1年も2年も通うわけじゃなく、たかが1ヶ月なんだから、勉強についていけるかどうかより、どれくらい楽しい経験ができるかを一番に考えた方がいいと思うよ。」

「うん、、そうだね。」

と一応ジョンの意見に賛成はしてみたけれど、心の中でまだジョンの考え方に反対する部分があった。

ノッコは確かに年齢は7歳だったけれど精神年齢はまだ5歳児並みで、4歳の風太の方がずっと落ち着いていると感じるくらいだった。だから彼女なら一つ二つ下の子供達とクラスメートになっても全く問題なく遊べると思えた。

それに私は「ジョンは日本の小学校がどんな風なのか分かってないなぁ」とも思っていた。

アメリカの現地校の一年生は、もちろん授業中勉強はするけれど楽しいアクティビティもたくさんあった。

でも日本の小学校はきちんと机に座って先生の話を聞いている時間がすごく長く、日本語が弱いノッコにはあの状況はきっとキツイのではないかなと懸念していた。

算数の1+1=2もよく分かっていないノッコに、日本の小学校の2年生の勉強など分かるはずもなく、落ちぶれていく自分が嫌になって絶対に「行きたくない!」になるような気がしていた。

そこで、実際自分の子供達を日本の小学校に通わせた八重子さんにちょっと聞いてみることにした。

次の週、日本語補習校で見かけた八重子さんに早速相談してみると、

「2年生で大丈夫だと思うよ。」という返事がすぐに返って来た。

八重子さんのお子さん達も全く問題なかったからだそうだ。(でも八重子さんのお子さんは二人ともとても優秀で、現地校でも日本語補習校でも成績は常に上位だった。だから日本の小学校に二人を入れた時も全く問題なかったのだと思う。)

けれど八重子さん曰く、息子さんと同じクラスにもう一人一時帰国の女の子がいたそうだ。その子はほとんど日本語が話せなかったけれど、先生がその子に授業中は絵を描かせたりしていたので楽しく過ごせたそう。

「学校側もノッコちゃんが勉強についていくことなんて期待してないし、とにかく楽しく日本の学校生活を経験して欲しいと思っているだけだから、そんなに心配しなくてもいいと思うよ。」

そう言って笑った。

八重子さんとそんな話をしていた時、そばに立っていたノッコの補習校の先生が私に声をかけてきた。

「ノッコちゃんは来年日本に行くんですか?」

「あっ、先生。はい、そうなんです。2ヶ月ぐらいなんですが。」

「いいことですね! 日本に行って生活することが、子供達の日本語上達には一番ですよ。」

「そうですね。それで私たちが日本にいる間ノッコを日本の小学校に入れることになったんですが、一年生に入れるべきか二年生に入れるべきかちょっと悩んでしまって。先生はどう思われますか?」

「それはぜひ、二年生に入れてあげてください。」

「でも、ノッコの日本語では、、、」

「お母さん、心配されるお気持ちはよくわかりますが、子供って大人が思っているよりずっと適応能力があるんですよ。私の知り合いのお子さんはノッコちゃんより日本語ができなかったけれど、給食がおいしいという理由だけで毎日喜んで小学校に通っていたそうです。あの年齢の子供達なんてそんなものなんですよ。何が理由で学校が好きになるのか嫌いになるのかなんて、私たちには分からないことの方が多いんです。だからノッコちゃんをもっと信じてあげてください。そして時々は子供を突き放すことも大切ですよ。」

そう言って私の肩を叩いてくださった。

ジョン、八重子さん、そして日本語の先生の3強打を受けた私には、もうそれ以上彼らに反対する理由が見つからなくなってしまった。

本当にみんながそれぞれ言う通りだったから。

このブログを長く読んでいる方はお気づきかもしれないけれど、私には日頃から子供達を守ろうとしすぎる傾向があり、特にノッコは最初の子供なのでその傾向が強く出てしまいがちだった。

いつもノッコが悲しんだり自信をなくしたりしないように防備線をはって、彼女の行動範囲を制限してしまう癖があるのだ。

そして自分の中で「こんな風に私を過保護にさせてしまうのはノッコのせいでもある」と思っていた。

勉強面やスポーツ面、習い事や癇癪の問題など、「ノッコはきっと変わってくれる」と期待しそれが裏切られるたびに、私の中で少しずつノッコに過大な期待をするのをやめる習慣ができてしまった。

「子供に対する過度の期待は子供にとって毒になる」

色々な参考書にもよくそう書いてあったので、私はノッコへの過度の期待をやめ、「これくらいならノッコにもできるかな」という程度の期待を持つように努めた。

今でもそれ自体は悪いことではないと思うけれど、そうやって期待度を落とすことで、自分でも知らぬ間にノッコの行動を制限してしまっていたのだった。

何かを始める前から、それに挑戦するチャンスを彼女から奪い取ってしまっていた。

それは私がノッコに何か新しいことを始めさせる時、いつも彼女ができないことばかりに焦点を当てていたからだった。

読むレベルが他の子より3つも下。算数の簡単な数式が解けない。日本語が上手に話せない。器械体操でいつまでたっても上の級に上がれない。癇癪がなかなか治らない。

これらのノッコの「できない要素」を考えた時、いつも

「きっとノッコにこれは無理だろう」という結論に達し、ノッコにもできそうな無難なことだけを選んで与えてきた。

けれどよく考えてみると、ノッコにはできるようになったこともたくさんあるのだ。

最初5歳のノッコを日本語補習校に通わせることにした時、私は「きっとノッコの日本語能力では半年も続かないだろう」と思っていた。

けれど私の予想に反して、ノッコはたいして文句も言わずに毎週日本語学校に通い皆勤賞までもらった。

そしてあれから2年が過ぎた今もきちんと通っている。

先生の言う通り、子供の適応能力って私たちが思っているよりずっと強いものなのかもしれない。

もしも2年前、「日本語補習校なんてノッコの日本語能力では無理」と決めつけて通わせなかったら、ノッコはそこで日本のような運動会も夏祭りも経験することができなかった。

「ノッコには無理かもしれない」

そう思ったけれど、あの時ノッコを少し突き放してみて本当によかったと思う。

だから、

今回も少し突き放してみようと思った。

突き放してみて、ノッコがどれくらいその挑戦に耐えられるのか、どれくらい成長できるのかを見てみようと思った。

その結果、日本の小学校が大嫌いになるかもしれない。

でもそれはそれで仕方がないことだと思うことにした。



子供を守るのは親の役目。

そして子供の独立を促すのも親の役目。

そのバランスを保つのはとても難しいけれど、時には心を鬼にして子供を突き放すことも大切なんだと思った。

私にように「子供のため」という名目で親が防備線ばかり張っていたら子供はいつまでたっても成長できない。

本当の意味での「自信」を見つけることはできないのだ。

と言うことで、私はノッコを二年生に入れてもらえるよう日本の小学校にお願いすることに決めたのだった。

そしてあれから8ヶ月経った今。

あの当時の私の心配をよそに、ノッコの日本語はあれからめきめき上達し、今では一年生の漢字をほとんど覚え、教科書もつっかえながらも全部読めるようになった。

そして留年することなく、補習校のみんなと二年生に上がれることをとても喜んでいる。

親の「突き放し」とそれを乗り越えた子供の「実績」の積み重ねだけが、本当の意味での自信を親と子の両方に与えてくれる。

私はそのことに改めて気付かされたのだった。


ノッコなら日本の小学校に入っても大丈夫。

今は一点の曇りもなくそう思える私だった。




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非公開コメント

ぜんっぜん大丈夫だと思います!
どこの小学校か分からないけど、東京の小学校ならクラスの何人かは小さい頃から英語をやってるから、2年生にもなるとたぶんノッコちゃんに興味津々だと思いますよ!そういう意味でも2年生の方が良いと思います!
きっとすぐにお友達ができるんじゃないかなと思います。さわこさんはノッコちゃんにはできるだけ日本語を話してほしいと思うかもしれないですが、これはノッコちゃんがみんなに英語を教える立場に立てる良い機会ですよーー!
日本を楽しんでくれるといいですね!

Re: タイトルなし


けいさん、

「ぜんっぜん大丈夫だと思います! 」
もうこの一言で一気に気が楽になりました!

二年生にもなるとしっかりした女の子も多いので、そういう子たちにノッコをお願いしたいという気持ちもあって二年生に入れることにもしたのですが、そうですねー、そういう考え方もあったんですね。
確かに2年生にもなると英語やアメリカに興味を持っている子がクラスにいるかもしれないですよね。
そうしたら、たとえ最初だけでも「ノッコちゃん、ノッコちゃん」とかまってくれるかもしれませんね。
日本語上達ももちろん今回の帰国の目的の一つではありますが、やはりノッコや風太に日本での体験を楽しんで欲しいというのが一番の目的なので、例えお友達と英語で話してしまってもそれで楽しければいいなと思っています。
ノッコが英語を教えられたら尊敬されるかな?

遠くからの励まし、本当にありがとうございました!

当然の迷いだと…

親だもの、守ってあげたいって気持ちも当然です!私もそうでした。
でも、今高校生になったムスメを見ていて思うのは、経験したもの勝ちってことです。
嫌な経験だったとしても、しないよりはした方が良い。そういうことを通して、また得るものも大きかったと思います。例えばどんなに勉強ができるこだって、上には上がいるっていつか知ることになるし、どんな人気ものだって上手くいかなくなる時もくる、人生生きていてずっと上向きなんてないですしね。
ムスメは小学校ではとにかく算数は学年で下から数えて…だったし、女の子トラブルになったり、イジメにあったり、色々ありましたが、中高ではずっとクラス委員になり、応援団長になり、成績もわりとがんばってます。
ちなみに、小学校からずっと同じ学校なので、周りがかわった訳ではなく、彼女自身がかわったんだと思います。で、私が今思うのは小学校くらいで沢山嫌な経験して良かった(笑)です。まだ、親やまわりに相談したりするし、話さなくても大人がみて、何かある、って気づく年齢だったので、親も先生もそれなりに解決のアドバイスができたんですよね。やはりティーンくらいの年齢になって始めて嫌な経験をすると、プライドがあってまわりに相談できなかったり、心の中ももっと複雑になるから、なかなか大人が助けることが難しい気がします。友人トラブルを経験したせいか、今や私より人との距離感をとるのも上手だし、困っている子と仲良くなるのもうまいです。
どんなことがあっても、子供って帰れる居場所があれば大丈夫。パパママが大きく手を広げてあげて下さいね。
ちなみに、他の方のコメント通り、海外からきたお子さんは英語ができる人気ものです。しかも今や日本とアメリカの算数格差や日本語がたどたどしいことなんて、すでにみんな承知済み!日本語ができるより、英語が話せる方が日本では何倍も尊敬されますよ(笑) 小学校では英語の授業も取り入れている自治体も多いですし。逆にみんなに英語で話して〜って言われますよ!
みんなにとって楽しい日本滞在になりますように!

Re: 当然の迷いだと…


Popo さん、

いつもコメントありがとうございます。
そして返事が遅くなってしまってすみません。

Popoさんのくださるコメントはいつもやさしさに溢れていて心がほっとします。
Popoさんの娘さんが経験なさったことを聞いて、その一つ一つに納得しながら読ませていただきました。

特に ”私が今思うのは小学校くらいで沢山嫌な経験して良かった(笑)です。まだ、親やまわりに相談したりするし、話さなくても大人がみて、何かある、って気づく年齢だったので、親も先生もそれなりに解決のアドバイスができたんですよね。やはりティーンくらいの年齢になって始めて嫌な経験をすると、プライドがあってまわりに相談できなかったり、心の中ももっと複雑になるから、なかなか大人が助けることが難しい気がします。友人トラブルを経験したせいか、今や私より人との距離感をとるのも上手だし、困っている子と仲良くなるのもうまいです。”
ここです。

私も最近よく思うのですが、子供の時に落ち込むような経験をするのってけして悪いことじゃないんですよね。やはり親ですから子供が傷つくのを見るのは辛いですが、そこからどう立ち直るかを見守ってあげるのも親の大切な役目なんじゃないかと思うのです。今のノッコは本当にのび太君みたいにできないことの方が多いのですが、何かにぶつかる度に もがきながらそれを越えようとする癖がついているように思います。それを免疫として、これからも打たれ強い子供に成長してほしいなと思います。私とジョンにできるときは、傷ついて帰ってきたノッコのためにホッとできる環境を作ってあげることですね。すごく心に響くアドバイスです。

それに日本の小学校では英語を話せると得だと聞いてホッとしました。

ノッコも風太も楽しい学校生活を送ってくれたらいいなと思います。

暖かいコメントを本当にありがとうございました!

No title

のっこちゃん1年生の漢字読めるようになったんですかー!のっこちゃんすごい頑張ったんですね。さわこさんもお仕事で忙しい中 時間作ってみてあげるのは簡単ではなかったと思います。うちの子14歳で日本語話せますが、漢字は苦手なのでのっこちゃん、すごいと思いました。

Re: No title

アイスバーグさん、

コメントをありがとうございます!
そしていつもながらお返事が遅くてすみません。

そうなんですよ。驚いた事にノッコは一年生の漢字をほとんど覚える事ができたんです。もちろんここに辿り着くまでは、ものすごいバトルでしたが。
ADHD系の子は漢字が得意な子が多いと聞いたので、もしかしたらノッコもその関係かもしれません。
家ではできるのに漢字テストになると訳のわからない漢字を書いて点数はトホホなんですが、読める事はわかっているので私はうれしかったです。

アイスバーグさんのお子さんは日本語が話せるそうで、私はそちらの方がうらやましいです。
うちの子供達は私に英語で返すのが癖になっているので、今年の夏に日本に帰った時にそれが変わってくれればいいなと思っています。

これからもよろしくお願いいたします!
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さわこ

Author:さわこ
在米のさわこです。売春、ドラッグ、破談などの障害を越えてようやく家へきたノッコと風太の養子縁組のお話を綴っていきます。

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