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子供に教える道徳とそれを守れない親


*これは先月のお話です。


ノッコは今英語のスペルの練習をしていて、私が出す5個の単語のテストを毎日している。

それで満点を取るとシールが一個もらえて、それが20個貯まるとみんなでサーカスに行く約束になっていた。(風太もABCを勉強したらシールを一個)

時には1日シールを3つも集めてがんばったノッコと風太は、いよいよ20個シールが集まり、念願のサーカスへ!

実は子供達よりサーカスをずっと楽しみにしていたのは、何を隠そうこの私。

小さい頃に「木下大サーカス」に行ってえらく興奮したのに、それ以来サーカスなんて一度も連れて行ってもらえなかった。

だからこの街にサーカスが来ると聞いて、「行こう!」と提案したのは私だった。

毎日ノッコに、「ママが行きたいんだからスペルがんばってよー」とせがんでようやくシールを20個集めてもらった。

そしてそのサーカスの当日。

子供達の興奮ぶりはもう。

そしてそれに負けない私のワクワク度。

けれど会場に入ってみると、ちょっと「あれっ?」という感じだった。

だってセットが安っぽくてちょっとしょぼかったから。

それにサーカスが始まってからも、始終ムチで脅かされている動物たちがなんとなくかわいそうになってしまい、心から楽しむ事ができなかった。

空中ブランコで団員が落っこちてしまった時も「わざとかな?」なんて疑ってみたり。

子供の心を失っていくというのはこういうことを言うんだなぁ、なんてちょっと寂しくなったりしたのだった。

そんな私を横に子供達は大はしゃぎ。

特に犬の芸がお気に入りだったようで、しょっちゅう「かわいいー!」と叫んでいた。

そして前半の出し物が終わり、20分の休憩時間に入った。

すると奥からゾウやラクダが出てきて、子供達はそれに乗る事ができるという。

会場を一周して一人20ドル。二人で40ドル。

高っ!

でもすかさずノッコと風太は「乗りたーい!」と叫んだ。

もっと安かったらノッコたちにやらせてもいいかなと思ったけれど、会場は本当に狭かったし、順番待ちの列があっという間に長くなってしまったので、

「乗せてあげたいけど、一人20ドルは高いよ。それにママもパパもそんなに現金持ってないし。」

と説明した。

けれど二人ともそんな説明は全然耳に入っていないらしく、

「乗りたーい!」を繰り返していた。

それでも「今日は乗らないよ」を言い続けると、ようやく二人は諦めたようだった。

けれど後半の出し物が始まってからもノッコはずっとふてくされたままだった。

そんなこんなで後半の出し物も全て終わり、帰り支度をしながら時計を見るともう9時半。

子供達が普段寝る時間(8:15ぐらい)をすっかり過ぎていた。

風太はさすがに疲れたのか、ジョンに抱っこしてもらうとそのまま寝てしまった。

けれどノッコは疲れのせいかイライラ絶好調。

駐車場まで歩いている間も「ゾウに乗りたかったー」と文句タラタラ。

そして最後には、こともあろうか

「ノッコ、サーカスなんて大っ嫌い。来なければよかった」とほざいた!

私はすかさず、

「ノッコちゃん! 世の中にはね、サーカスに行きたくても連れて行ってもらない子供がたーくさんいるんだよ! ノッコちゃんはママたちに連れてきてもらってすごくラッキーなんだよ。それなのにその態度は何? どうしてサーカスが見れただけでもラッキーって思えないの? ママたちはね、ノッコちゃんたちが喜ぶと思ってサーカスのチケットを買ったんだよ。それなのに“ありがとう”の代わりに文句言われなきゃいけない理由は何?」と叱りつけた。

するとノッコは急にしょぼんとして、

「ごめんなさい、、」と言った。

でもすぐに、

「だけど他の子はみんなゾウに乗ってたよ。みんなサーカスを見て、ゾウにも乗ってたよ。」と続けた。

「他の子のママとパパはたくさんお金を持ってるからじゃない? ノッコちゃんのママとパパはそんなにお金ないの。あのねノッコちゃん、40ドルっていうお金はすごくたくさんのお金なの。その40ドルを得るためにママもパパも毎日一生懸命働いてるの。だからその40ドルを5分で終わっちゃうゾウより、もっと他のことに使いたいと思うのはいけなこと?」

「、、、、、。」

その時私たちのクルマは信号のところで止まった。

そこにホームレスの男の人が「恵んでください」というカードを持って立っていた。

「ほら、あの男の人を見てごらん。彼は家も食べるものもないんだよ。」

「どうして?」

「分からない。病気で働けないのかもしれないし、家族がいないのかもしれない。」

「、、、、」

「あんな風に、寒い夜に帰る家もない人がいるのに、ノッコちゃんは暖かい家も食べる物もあってラッキーなんだよ。いつもそのことを忘れないで。ゾウに乗れなかったくらいで文句なんて言わないで。 」

信号が変わって私たちのクルマが走り出した。

「ママ?」

「なあに?」

「あの人、きっとお腹すいてたね。」

「そうだね」

「どうしてママはあの男の人に食べ物をあげなかったの?」

うぐっ!  そうきたか、、。

「だって食べ物持ってなかったし。」

「じゃあ、お金は?」

「うん、お金もあげたかったけど、、、、」

(うーん、どう言ったらいいかな、、)

「あのね、ああいう人は街にたくさん居すぎて、ママ全員にお金をあげられないのよ。」

「変なの。」

“変なの”という言葉が心に突き刺さり、私はそれ以上どう返したらいいのか分からなくなってしまった。

「ノッコ、パパたちはああいう人達一人ひとりにお金をあげることはできないけれど、税金という形で彼らを助けてるんだよ。」

その時ジョンがそう言って助け舟を出してくれた。

それからジョンが税金についてノッコに説明してあげたけれど、ノッコはその話には興味がなくなったようで、ただだまって窓の外を見ていた。

いやー、しかし 子供に道徳を教えるって難しい。

親が尤もらしいことを並べ立てても、今回のように自分の偽善度を曝け出すだけになってしまうことがあるから。

子供に「人はこうあるべき」と教えながら、自分はそういう人間にはなれないことがあるから。

子供はそれがわかっていないようで、実は親の言ってることとやってることの矛盾をするどく嗅ぎ分けていたりする。

でもその矛盾が何なのか概念として理解できないし説明もできないから、だた「変なの」とつぶやくことしかしない。

「世界中の恵まれない人たちのことを考えてみろ」

そうノッコに説教しながら、本当は私自身が何もできていないことに気づいた夜。

反省しなきゃいけなかったのは、ノッコより自分の方。

凍えながら立ち続けるホームレスの人に1ドルもあげなかった私の方。



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難しいですね

こんにちはさわこさん!いつもブログを拝読させて頂いております。
私も夏にアナと雪の女王のアイススケートショーに行った時に綿あめやポップコーンをねだる娘にうちはお金がないから…と諦めさせました笑
だって、とってもとっても高かったから!ボッタクリにしか見えなくてケチンボな気持ちが勝ってしまいました。
そして、うちの娘も娘が喜ぶ顔を見たくて全力を尽くしても一つでも思い通りに行かないと楽しくなかったと言います。
我が娘ながら本当に腹が立ちます!あんたの喜ぶ顔が見たかったのに恩を仇で返すとはっ!裏切られた気分です笑
しかしそんな子供の素直さもムカつくこともあればはっとさせられる事も多いですね〜
日本では物乞い行為は法律で禁止されていますが海外に行くとどこでもそういう方たちを見かけます。
私はパリの元旦に浮かれていて寄付をしようとしたら財布ごと奪われたことがあります。殴り合いになりお財布は奪い返しましたがお札を何枚か抜かれました。日本人の甘さ丸出しで現地の人に注意されました。
そんなことがあってからどうしてもホームレスさんに対して警戒してしまいます。可哀想にみえたからといって善人とは限らないですもんね。
ジョン氏の税金についての説明は素晴らしい機転の利かせ方ですね。福祉についてお勉強できる機会にもなりますし。
女の子だから余計に警戒心を強く持って欲しいけれど、のっこちゃんの疑問に対して納得の出来る答えを言葉で伝えるのは難しいですね。
キリスト教圏だとまた施しに対する考え方も違うのでしょうか。気になるところです。

Re: 難しいですね


りんさん、

コメントありがとうございました!
私たちも行きましたよ。ディズニーのアイススケートショー。すごく楽しかったですが、おもちゃや綿がしの高さにびっくりしました。絶対にボックリですよね。あの時もノッコは色々なものをねだったのですが、やはりポップコーンぐらいしか買いませんでした。でも当時はノッコもまだ小さかったので、それほど文句は言っていませんでした。でも今回は疲れもあったのか、文句ばかりですごく腹が立ちました。

でもノッコに「どうしてお金をあげなかったの?」と聞かれた時に、私も思ったんです、
(ああ、あの時ちょっとでもお金をあげてれば、私の説教ももっと説得力のあるものになったのに)って。
だけど同時に(でもそんなことしたら、これからノッコがいるときは、いつもホームレスの人にお金をあげるようになるぞ)とも思って考えてしまいました。難しいですよね。
だからジョンが助け舟を出してくれた時は、本当に助かりました。

りんさんは、ホームレスの人にお金をあげようとして、そんな危ない目にあったことがあるんですね。
善意でやろうとしたのに残念ですね。
もしもそんなことがあったら、私でも警戒してお金をあげたくなくなると思います。

私も本当に時々しかホームレスの人にはお金をあげません。なんとなく見た感じであげたくなる人がたまにいるんですが、そういう人にしか寄付することはないですね。
だから自分が普段からできてないことを例にとって、子供に道徳を教えようとするのには無理があるのだということを今回学びました。親の言ってることとやっていることの違いに気づいた子供は、説教されても親に疑問を持つだけで逆に言うことを聞かなくなるだけのような気がします。だから今後は自分でできていることで「ほら、お母さんもちゃんとやってるでしょ」って言えることを見せていこうと思います。それはそれですごく難しいんですけどね。私はあまりできた人間がないから。。


さわこさん こんばんは
子供にわかりやすく教えるのは本当に難しいですね。。。私たちは仕事柄ホームレスに関わり彼らのために働くことがあります。
ただ道端では私たちは絶対にお金をあげません。私たちの住んでるカウンティではホームレス一人当たり毎年4万ドルものお金をつかってフードサービスやシェルターをつくってます(税金と寄付)。それを利用するホームレスももちろんいます。しかし多くは利用せず町のあちこちにテントを張ってゴミだらけにしています。なぜならシェルターではドラッグがつかえないからです。もちろん不運な過程でホームレスになってしまったけど心はfunctionalな方もいるでしょう。(そういう人はシェルターや他の行政サービスを使ってホームレスでなくなるのです) でも多くは最低限のルールも守れない人たちなのです。どんなに与えてもドラッグなどに消えるだけで彼らの生活は変わりません。よくなりたくない人は助けようがないのです。
ホームレスに道端でお金をあげないのはかわいそうなのではなく、あげることが間違っているということを子供にゆっくりおしえています。
さわこさんのエリアでは違う状況なのかもしれませんが、こちらではそういう状況です。。。

Re: タイトルなし


かなさん、

コメントありがとうございます!
そして返事がすっかり遅くなってしまってすみませんでした。

かなさん自身のご経験からくる視点とても興味深く読ませていただきました。
そうですね、道に立っているホームレスの人に大抵の人がお金をあげないのは、そのあげたお金が彼らのためにならないことに使われることがわかっているからなのでしょうね。
だから私も見た目で(あと天気次第で)あげたりあげなかったりしています。

かなさんのおっしゃっていた、

>ホームレスに道端でお金をあげないのはかわいそうなのではなく、あげることが間違っているということを子供にゆっくりおしえています。

これももちろん正論だし大人の私には理解出来る考え方なのですが、やはり子供に説明するのはちょっと難しいような気がします。
特にノッコや風太はまだ小さいので自分で見たことしか信じられないため、「食べ物がなくて物乞いをしている人にあげないのが彼らのため」というコンセプトはまだ理解できないだろうなと思います。
それにうちの場合は、ジェシカや風太の産みのお母さんのこともあるので、ドラッグやホームレスについてはまだ子供達に先入観を与えないようにしているため余計に説明が難しいですね。
ジェシカのように精神障害が原因でホームレスやドラッグ中毒になる人もたくさんいると思うし。

でも現状をごまかさずに話してあげることは、ある程度の年齢のお子さんには大切なことですよね。
私も今後のためにかなさんの考えを参考にさせていただこうと思います。

ありがとうございました!


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さわこ

Author:さわこ
在米のさわこです。売春、ドラッグ、破談などの障害を越えてようやく家へきたノッコと風太の養子縁組のお話を綴っていきます。

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