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ノッコのお弁当事情


またまた更新がしばらく遅れてしまいました。
すみません。

今週は少し時間ができたので、今日はノッコのランチについてちょっと書いてみたいと思います。

                                 ◇

ノッコの小学校には「ホットランチ」と呼ばれる給食のようなものがある。

だいたい1食が$3−5ぐらいで、毎月一定の金額を学校の口座に振り込むと、子供がホットランチを食べるたびにそこから引き下ろされるようになっている。

ノッコはこのホットランチがだーい好き。

なぜかというと、ランチと一緒にちょっとしたデザートがついてくるから。

だから「毎日ホットランチが食べたい!」といつも言っている。

けれどホットランチはあまり健康によくないものもあるし、毎日オーダーするとお金もかかるので、ノッコは一週間に一度だけホットランチを食べていいことになっている。

それ以外の日は毎日手作りのお弁当。

毎日同じようなものをお弁当に詰めているので、せめて彩りだけもきれいにしてあげようと、日本のお母さんたちほどではないけれど、それなりにかわいいお弁当を作るようにがんばっている。

時々ノッコは私がお弁当を詰めているのを見て「やったー!今日はミートボールだぁ」なんてはしゃぐこともあるし、大抵きれいに食べてくれるので別にノッコのお弁当が何か問題になっているなんて思ったこともなかった。

けれどある日ノッコの宿題をみてあげていると、急にノッコが、

「ねえママ、ジェイクがね、いつもノッコのお弁当が気持ち悪いっていうんだよ。」

と意外なことを言い出した。

「えっ? そうなの?」

「うん、時々ノッコのお弁当を見て“何それ!”」って聞くんだよ。

「あらそう? ノッコちゃんはそういう時、何て言うの?」

「おにぎりだよ。気持ち悪くないよ、って言うよ。」

アメリカの学校でおにぎりを食べていると、他の子にからかわれるというのは他のお母さんたちから聞いた事があったので、ノッコの話を聞いても私は「ああ、来たか」と思うだけでさほど驚きはしなかった。

それに子供達はただ珍しくて「変なの」とか「気持ち悪い」とか言っているだけで、別に悪気はないのだろうとも思った。だから、

「そうだよね。気持ち悪くないよね。ジェイクはきっと日本の食べ物を知らないからそんな事言うんじゃない? 知らないから気持ち悪いって言ってるだけだと思うよ? ノッコちゃんは“これはおにぎりっていってね、おいしいだよ”って教えてあげればいいんじゃない?」と言った。

「教えてるよ! おいしいよって言ってるよ。でもジェイクは気持ち悪いってずっと言うんだもん。」

「ノッコちゃんが3回“おいしいよ”って言ってもジェイクがやめなかったら、あとは無視すればいいんだよ。」

「でもジェイクはずっとノッコのそばで言うんだもん。」

「そういう時は、ノッコちゃんが席を移動すればいいの。そうすればそのうち飽きて言わなくなるから。」

「だってー。」

ノッコはそれでも納得のいかないような顔をしていた。

「それにねママ、この間はアンドリューがノッコに“どうして鉛筆でランチ食べてるの?”って聞いてきたんだよ。」

「あはは、鉛筆はいいね。その時ノッコちゃんはなんて言ったの?」

「鉛筆じゃないよ、箸だよって言ったよ。」

「でもアンドリューはしつこく言ってきたの?」

「ううん、アンドリューは“変なの”って言って行っちゃった。」

「そっかあ、、、ねえ、ノッコちゃん、ノッコちゃんが嫌ならママも他の子みたいにサンドイッチを作ってあげようか? おにぎりとか、お稲荷さんとか、日本のものは入れないようにしてあげるけど、どうする?」

しばらくノッコは考えてから、

「いいよ。ママのお弁当でいい。ノッコ、サンドイッチあんまり好きじゃないし。」

「そっかあ。」

「ねえノッコちゃん、みんながサンドイッチ食べてるのにノッコちゃんだけおにぎりとかお稲荷さんとか食べてるの、ママはかっこいいと思うよ。みんなと違うっていうのは、本当はすごくかっこいいことなんだよ。ねえ、ノッコちゃんの友達で箸が上手に使える子は誰がいる?」

「奈々ちゃん」

「それは日本語学校のお友達でしょ。アメリカの学校でお箸が使える子いる?」

「いない。」

「でしょ。それはね、お箸を使うのはすごく難しいし時間がかかるからだよ。それがちゃんとできるノッコちゃんはかっこいいと思うよ。」

「うん。」

本当に分かったのか、分かってないんだか、はっきりしない様子でノッコはその時そう返事しただけだった。

                               ◇

そんなノッコとの会話も忘れかけていたある日、いつものようにノッコが持って帰ってきたお弁当箱を開けてみると、食べ物が半分以上残っていた。

「あらっ、ノッコちゃん、どうしたのこれ? 今日お弁当食べなかったの?」

そう私が聞くと、ノッコはモジモジして言いにくそうに

「うん。」と言った。

「どうして? ノッコちゃんの好きなお魚のフライが入ってるじゃない。お腹空いてなかったの?」

「うん、、、。お弁当箱、、、落としちゃったの。」

「えっ? 落としちゃったの?」

「だって、蓋を開けようとしたら、手が滑って、、床に落ちちゃったの。」

「そう。」

「だからノッコ、床からおにぎり拾ってお弁当箱に戻したの。でも食べなかった。汚いから。」

「そうだね。床に落ちたのは食べないほうがいいね。」

「そしたら、先生が来て、“これ食べないの?”って聞いたの」

「そう」

「うん、って言ったら、“じゃあ、先生が食べていい?”って。“先生いつもノッコちゃんのお弁当を食べてみたかった”って、、、」

「えっ? それで?」

「先生、おにぎり食べて“おいしい”って。それで“卵焼きも食べていい?”って」

「だって、それも床に落ちたんじゃないの?」

「うん。先生が“どうしてこんなにおいしいのに、食べないの?”って言うから、“床に落ちたの”って言ったの。」

「そしたら?」

「そしたら先生、“うげっ”って口から全部出しちゃった。」

「あっはっ はっ はっ はっ  そうだったのー?」

どうしてノッコはそういうところではっきり先生に説明してあげないんだろうと思う反面、その時の先生の顔を想像するとおかしくて仕方がなかった。

しかし生徒のお弁当をほうばる先生がいるなんて

アメリカっておもしろい。

だけど毎日学校でノッコのお弁当を見ながら「食べてみたい」と思ってくれる人がいただけでも、お弁当づくりの甲斐があった気がして私はすごくうれしかった。

そしてそれからは、さらにはりきってお弁当作りに励んだのだった。

いつかノッコや風太がそんなお弁当を懐かしく思ってくれたらいいな、と思いながら。


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さわこ

Author:さわこ
在米のさわこです。売春、ドラッグ、破談などの障害を越えてようやく家へきたノッコと風太の養子縁組のお話を綴っていきます。

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