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ノッコがとった最低の行動

*これは半年以上前のお話です。


ノッコは親友のキラと一緒に2015年の秋に器械体操を習い始めた。

普段からジャンプしたり、棒にぶらさがったりするのが大好きなノッコにはピッタリの習い事だと思っていたし、私たちの予想通りノッコは毎週とてもはりきって通っていた。

身体を動かすのが大好きなノッコだったけれど、集中力のなさが致命的だったのか、半年もすると他の子達よりどんどん遅れるようになっていった。

先生が説明をしてくれている間、ふにゃふにゃしたり、隣の子と話したり、何か他のことをしたりして全然その話を聞いていない。

「じゃあ、始めましょう」と言われて始めて何かしなくちゃいけないことに気づくけれど、説明を聞いていなかったので何をするのか分からず、それをごまかすためにまたふざけてしまう。

周りの子をが何をしているのかを見てようやく練習に入るけれど、しばらくするとすぐに飽きてまたふざけ始める。

こんな調子だったので、熱心に練習している子供達がどんどん上のクラスに進級していく中、ノッコはなかなか上のクラスに上がれずにいた。

でも友達のキラが一緒だったので、ノッコはそれほど不満に思っていないようだった。

ノッコよりずっと身体の小さいキラも、最初の頃は確かに奮闘していた。

けれど彼女はものすごい努力家だったので、半年を過ぎた頃からめきめき上手になり、とうとう上のクラスに上がることができるようになった。

その発表はレッスンの最後にあったようで、教室から出てきたキラは「ママー!」とうれしそうに自分のお母さんのところに走って行った。

その後ろから出てきたノッコは、眉間にシワをよせ、両肩をいからせ、唇を尖らせて、まるで漫画のキャラクターみたいな分かりやすさで「不機嫌」を表していた。

「どうしたの、ノッコちゃん?」

私がそう訊くと、

「キラはリボンとキャンディーをもらったのに、ノッコはもらえなかった。」とノッコは答えた。

「それはキラが上のクラスに上がったからじゃない?」

「ノッコもキャンディー欲しい!」

「じゃあ、ノッコちゃんも負けずに練習して上にあがれるようにがんばらないとね。」

「ノッコ、先生に聞いてくる!」

そう言ったかと思うとノッコはスタスタと先生のところに行き、

「キラはキャンディーをもらったのに、どうしてノッコはもらえなかったの?」と訊いていた。

すると先生はちょっと困った顔をして、

「それはキラが上のクラスにあがったからよ。ノッコちゃんはほら、バックのでんぐり返りがまだできないし、他にも練習しなくちゃいけないところがいくつかあるからね。でもがんばって練習していればすぐに上のクラスにあがれるよ。」

そう言って励ましてくれた。

それでもノッコは納得ができなかったらしく、私のところに戻ってきてから「うわーん」と泣き始めてしまった。

その大泣きはどんどんエスカレートし、とうとうノッコは2歳児のように床に寝転がって「ノッコもキャンディーが欲しいー!」と足をバタバタさせ始めた。

そんなノッコを見て一番困ってしまったのは、キラとキラのお母さんだった。

キラのお母さんはノッコのそばに来て、

「ノッコちゃんもすぐに上のクラスに行けるわよ。ノッコちゃんの側転はすごくきれいだもの。また上のクラスでキラとがんばろう。」

とやさしく声をかけてくれた。

けれどノッコはその言葉を無視して、ただバタバタと泣き叫び続けた。

そしてキラがそばに来て気まずそうに

「ノッコ、バイバイ」

と言うと、こともあろうかノッコはキラに向かって

あっかんべーをした!

私はその瞬間ノッコの頭を「パコーン」と叩きたい衝動に駆られたけれど、それを必死でおさえて、

「ノッコちゃん、大切なお友達になんてことしてるの!謝りなさい!」と怒鳴った。

私に怒鳴られて更に大泣きをしているノッコを、キラは困ったような顔でしばらく見ていたけれど、そのまま去って行ってしまった。

私は泣き叫ぶノッコを引きずるようにして車に乗せ、

「ノッコちゃん! 友達にうれしいことがあった時は、一緒に喜んであげるのが親友っていうものでしょ! なのにあのあっかんべーは何? さっきノッコちゃんがとった行動は、友達として最低の行為だからね!」

そう怒鳴った。

けれどノッコは相変わらず「キャンディーが欲しかったー!」とヒステリックに泣きわめくだけだった。

ノッコがこういう状態の時は、「キャンディがもらえなかった」ということしか彼女の頭にはなく、私が何を言っても彼女の心には響かないことは分かっていたので、私はだまってノッコが落ち着くのを待つことにした。

しばらくオーディオストーリーをかけながら車を走らせていると、ノッコは泣き止み少しずつ落ち着いてきたようだった。

私は様子を見計らって車を道端に寄せ、ノッコにもう一度話をすることにした。

友達にうれしいことがあった時は喜んであげるのが本当の親友というもの。
悔しい気持ちがあっても、それを表情に出さず「私もがんばるから待っててね」と言えるように努力すること。
キラは上のクラスにいくために毎日一生懸命お家で練習していたこと。
ノッコも上手にできる種目がたくさんあるんだから、もう少し練習すればすぐに上のクラスに行けるようになること。

そんな事をゆっくりと話した。

「もしもノッコちゃんが一生懸命練習してようやく上のクラスに上がったときに、周りのお友達がノッコにあっかんべーをしたらどんな気持ちになる?」

最後に私がそう訊くと、

「、、、、、嫌な気持ちになる。」と答えていたので、自分がした事が悪い事だった事は理解しているようだった。

お家に帰ってからノッコはキラにカードを書きたいと言い、「ごめんなさい」と「おめでとう」をそのカードに書いていた。

                           ◇

あの日ノッコはキャンディーがもらえなかったことにずっとこだわっていたけれど、あの癇癪の本当の理由がキャンディーでなかったことは私にも分かっていた。

周りのお友達がどんどん上のクラスにいってしまう中、唯一のキラまでいなくなってしまって寂しかったのだと思う。

そしていつまで経っても上手にならない自分へのイラだちもあったのかもしれない。

でもだからと言って、癇癪を起こしてお友達を傷つけていい理由なんてどこにもない。

だからあの時、私はノッコにたっぷりお灸をすえたのだ。

ノッコに、友達の前で自分の感情を抑えることの大切さ、毎日練習することの大切さを学んで欲しいと思ったから。

あの日以来ノッコは、キラがいなくなったクラスでも新しいお友達を作り楽しく器械体操に通っていた。

平均台の練習の時、他の子はみな落っこちるのを恐れて2−3cmぐらいしかジャンプしないのに、ノッコはいつも思いっきりジャンプして思いっきり落ちていた。

そのせいでいつまで経っても平均台のテストでは不合格。

あんなに高くジャンプしたらバランスを失って落ちてしまうことぐらいどうして分からないんだろう、と私は溜息をついたりするけれど、落ちる事を恐れずジャンプし続けるノッコを誇らしく思うようにもなった。

定型におさまらず、いつもはみ出しているノッコ。

そのせいで中々評価されない事も多い。

けれどそんな彼女にも、きっといつか花咲く時がやってくる。

今はそう信じて見守っていくしかないのかなと思う。



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えらい!

さわこさんも、のっこちゃんもえらい!!!
応援してます!!!

Re: えらい!


りんさん、

応援のお言葉ありがとうございます。
今はちょっと落ち込み気味なのですが、この記事を書いているうちにノッコのあのジャンプしている姿を思い出し、もっと前向きにがんばらなきゃと思えました。

これからも応援よろしくお願いいたします!

はじめまして

いつもブログを拝見しています^^

今回のエピソード、他人の子の話なら「低学年くらいの子ならよくある話だし、くやしさからきた行動なんだから『最低』とまで言わなくても…」と思うけど、
自分の子が同じことをしたら、きっとさわこさん以上に叱ってしまうと思います(^_^;)

子育てって、ほんとに難しいですね!
お互いがんばりましょう☆

No title

鍵コメしさん、

お久しぶりです。
今でもこのブログを覗いて下さっているなんて感激です!
そしてこんな長いコメントをまた!

私も鍵コメさんのお子さんのその後が気になっていました。


メールフォームの方にコメントをいただいたのですが、ちょっとその返事の仕方が分からなかったので、公開のお返事になってしまってすみません。

鍵コメさん、どうか謝ったりしないでください。
早めに診断を受けた方がいいと私もジョンも思っていたし、実際に「学習障害ではない」という診断を受けてかなりホッとした部分も多いのです。
ただノッコを見ていると、彼女の脳の働きが他の子達と違うということは確信を持って言えるのですが。

ノッコは鍵コメさんのお子さん同様、グレーのグレーで、「個性」の枠からはみ出ない程度なのだと思います。個人的には、かなり黒に近いグレーだと思っています。

私も日本の社会で好きな部分はたくさんありますが、でも鍵コメさんのおっしゃるように、ノッコという子供はアメリカに生まれてよかったと思っています。マンションに住んでいるために家の中で走り回れないとか、癇癪を起こした時に大声が出せないとか、もうそんなレベルのことが私と彼女のストレスになっていたと思うし、「みんなと同じように」が重視される学校生活も彼女にはきついものになっていたと思います。

鍵コメさんも、お子さんが学校にあがったら苦労することが多いかもしれません。でも以前も言ったかもしれませんが、先生と密に連絡をとっていれば親子のストレスはかなり避けられると思います。

お子さんも器械体操を習っているんですね。

>努力しない、というより、どうやら努力の仕方がわからないようで、、

これ、正にノッコもその通りです!

勉強でも習い事でも、手取り足取り教えないと、どうがんばったらいいのか分からないようです。

ただノッコももう7歳なので、少しずつ自分一人でできる練習をしているのですが、これがまた大変!

私は全然できた母親ではないので、毎日毎日怒鳴ってばかりいて反省の毎日です。

だから鍵コメさんが、「自分のせいで子供は、、、」と思ってしまう気持ちがよく分かります。

でもお子さんは鍵コメさんご夫婦の子供になって絶対に幸せだと思いますよ。

子育ては楽しいことばかりではありませんが、これからもお互いにがんばりましょうね。

一度鍵コメさんとお茶ができたらいいのになと思ってしまいます。

きっと半日じゃ足りないくらいしゃべりまくりそうですね、私たち。

今後もこのブログをよろしくお願いします!

Re: はじめまして


二児の母さん、

初めてのコメントありがとうございます!
二児の母さんもお子さんがお二人いらっしゃるんですね。
二人だとけんかも多いですが、その分楽しいことも多いですね。

確かに私も他人の子が床で大泣きしながら「あっかんべー」をしたら、「あらあら」と思うかもしれないけれど、「最低」とまでは思わないかもしれないです。
でもそれが自分の子だとダメなんですよねー!

色々と上手にできないことが多いノッコですが、根はやさしく人を思いやる気持ちはあるんです。
ノッコのそういう部分が私は好きなのに、あの日はノッコの性格の悪さを見てしまったようですごくショックだったんですね。
でもこういうことを通じて子供は人付き合いを学んでいくのだと思うので、今はいい経験だったと思っています。
幸いに今でもキラとは仲良しですし。

ほんと、子育てって難しいですがお互いにがんばりましょうね!

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さわこ

Author:さわこ
在米のさわこです。売春、ドラッグ、破談などの障害を越えてようやく家へきたノッコと風太の養子縁組のお話を綴っていきます。

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