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産みのお母さんへの願い

* これは昨日の記事の続きで、一年前のお話です。


私はジェシカのことを考えているうちにどうしても彼女と話がしたくなり、思い切って電話をしてみた。

「ハロー」

「あら、さわこ、どうしたの? 」

「うーん、別に用はないんだけどね、、、今日はみんなで遊べて楽しかったね。」

「うん、そうだね。子供達はもう寝たの?」

「うん、もう寝た。、、、今日私、なんか帰るときすごく慌ただしく出て来ちゃたから悪かったかなと思って。」

「うん、もっと遊んで行けばよかったのに。ポールもノッコや風太がかわいくて仕方ないみたいよ。」

「そうだね。ポールは子供達がいるといつもよりニコニコしてるよね。」

「そう、そう、だから私がさわこ達と会う日は、子供達をあとで家に連れて来なさいって言うんだよ。」

「そうなんだ。、、、、ねえ、ジェシカ、今日ポールから聞いたんだけど、、、、ジェシカこの間薬を飲み過ぎちゃったんだって?」

「ああ、、」

ジェシカは一瞬ちょっと驚いたようだった。

「うん、お腹の痛みが酷かったからいつもより多く痛み止めを飲んだんだ。それから鬱病の薬も一緒に飲んじゃったみたい。」

「病院に運ばれたって」

「うん、倒れちゃったからね。」

「ジェシカ、大丈夫なの?」

「うん、もう大丈夫だよ。」

「私、、ジェシカが死んじゃってたりしたらどうしようって思って。」

「大丈夫だよ。あれはアクシデントだったんだから。それに今はポールが薬の管理をしていて私に決められた量しかくれないから。」

「そうなんだ。きっとジェシカのためにもその方がいいのかもね。」

「、、、、、、」

「ねえ、、ジェシカ、ノッコの前から突然消えたりしないでね。」

「、、、、、うん」

「ノッコ、今日ジェシカとシャボン玉したのがすごく楽しかったって。ジェシカが大好きだって。だから、、、、約束だよ。」

「うん、わかってる。もうしないから大丈夫だよ。」

ジェシカはその事についてはもうそれ以上話したくなさそうだったので、私達はそこで電話を切った。

本当はもっと彼女の気持ちに寄り添った、やさしい言葉をかけてあげるつもりだったのに、

私の「気付いてあげられなくてごめんね」という気持ちをもっと素直を伝えたかったのに、

なんとなくそれができなくなってしまった。

ジェシカは会話の間中ずっと自殺未遂を否定し続けていたし、一生懸命その話題から話をそらそうとしているようだったので、「死なないでね」と伝えるのが精一杯になってしまった。

ポールの話ではジェシカはあの事件以来、定期的にカウンセリングに通っていると言っていた。

そういう小さな努力の積み重ねでジェシカの精神状態がもっと安定したものになってくれたらいいなと思った。

でもそれを叶えられるのは私やポールの力だけではやはり無理で、最終的にはジェシカ自身が強くならなければならないことは私達も彼女自身もよくわかっていた。。

                                 ◇

以前読んだ事がある雑誌の記事にドラッグ中毒に関する興味深い研究が載っていた。

私達はよく、ドラッグ中毒者は彼らの身体がクスリを欲する為に止められない、または一度止めてもまた吸い始めてしまうのだと考えがちだと思う。

でもある研究チームはネズミを使った実験を通じて、必ずしもそうでないことを提案した。

この実験では小さなケージに数匹のネズミを入れ、そのネズミ達のためにドラック入りの水と、普通の水の二つを用意した。

ドラッグ入りのお水を飲んだネズミは必ずといっていいほどまたドラック入りの水を選ぶようになり、次第にドラッグ中毒になっていった。

そして今度はもっと大きないわゆる「ネズミパラダイス」というような物を造り、その中にネズミが運動できる歯車のようなものや、探索できる穴や、ネズミ用のおもちゃをたくさん用意した。

そして以前と同じようにドラッグ入りの水と、普通のお水を設置した。

実験用のネズミを数匹そのパラダイスに入れてみると、ケージの時とは違い今度はドラッグのお水を好んで飲むネズミがほとんどいなかったという。

そして更に驚いたことに、以前の小さなケージでドラッグ中毒になっていたネズミをそのパラダイスに移すと、彼らまでがドラッグ水を飲むのをやめ、普通のお水を好んで飲むようになったということだった。

これによってこの研究グループは、ネズミがケージの中でドラック水を好んだ、もしくはドラッグ水を飲むことを止められなかったのは、彼らの身体がドラッグを欲したからではなく劣悪な環境のせいだったのではないかという結論に達した。

もちろんこれはネズミによる実験であって、人間にも同じような結果が出るとは限らない。

それに人間はネズミと違って、例え物質的には恵まれた環境にいても、「生きる楽しみ」を持っていないと幸せを感じられない生き物だと思う。

けれど自分に自信を持ち、整った環境の中でその「生きる楽しみを」満喫している人には、やはりドラッグの誘惑をはねのけるだけの強さがあるような気がする。



薬物依存の生活から中々抜け出せないでいるジェシカ。

彼女はこれから人生の楽しみを見いだす事ができるのだろうか。

どうしたら自分に対する「自信」を取り戻すことができるのだろうか。

私とジョンは時々どうしたらジェシカが自立した幸せな生活を送れるようになるだろうと話す事があった。

彼女は割合手先が器用なので、私達がお金を出して美容師の学校に通わせてあげようかと考えたりしたこともあった。

でも人とうまくつき合えないあの性格では、やはり接客業は無理かなと思い直してみたり。

そして話し合いの最後にはいつも、

「結局これはジェシカ本人の問題なんだ」という結論に達するのだった。

横から私達がちょこちょこ手を差し伸べた所で、それが彼女を真から変えることはできない。

そして私達にはそれ以上をしてあげられるキャパシティーもない。

だから、

こんなに壊れてしまった彼女の心を直せるのはやはりジェシカ自身しかいないんだと思う。

カウンセリングを通じて少しずつ心の紐を解いていって欲しい。

子供の頃に起こったことは、何一つ彼女のせいではなかったのだと気付いて欲しい。

そしてゆっくりと本来の自分を見つけ出し、自分への「自信」を取り戻して欲しい。

今日博物館のカフェテリアでジェシカは「外食するのがうれしい」と言って、本当に幸せそうな顔をしていた。

これからも彼女の人生があの笑顔で一杯になったらいいのにと思う。

きっとそこまでの道のりはとっても長いだろうけど、

でもジェシカ

がんばれ!




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さわこ

Author:さわこ
在米のさわこです。売春、ドラッグ、破談などの障害を越えてようやく家へきたノッコと風太の養子縁組のお話を綴っていきます。

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