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子供の癇癪とサイエンス

先週ノッコの癇癪がひどく

私はホトホト疲れてしまった。

朝から晩まで動物のように泣き叫んでは、物や人に当たり散らすノッコ。

朝起きるとすぐに風太にけんかを売り、下に降りてくると私やジョンにけんかを売った。

「ベーグルが小さい」、「好きなシリアルがない」、「風太が私を見る」など、小さなこと一つ一つが全て不満で、その度に汚い言葉で私たちを罵った。

そして夕方家に帰ってくると、家に入った瞬間から文句の連続。

それを注意すると、床に寝転んで狂ったように泣き叫ぶ。

どんなになだめてもその癇癪はおさまらないので、結局ジョンがノッコをひきづるようにして二階に連れて行く。

そんな状態が毎日、毎日続いた。

そんなノッコを見ながら私は、

一体いつまでこんなことが続くのだろう、と思った。

一体いつになったらノッコは落ち着いてくれるのだろう、、、、と。

4歳の頃は(まだ小さいから仕方がない)と思っていた。

5歳の頃は(小学校にあがる頃にはきっと落ち着くだろう)と思っていた。

けれど今は、

(もしかしてノッコは一生このままなのかもしれない)という気がする。

ノッコの癇癪は、とても7歳児のものとは思えない。

言葉でなだめても力で押さえつけても、けしておさまらない。

どんな方法を試してみても、少しも効かない。

まさに野獣が家の中で暴れまわっている状態。

「手のつけようがない」というのは、このことを言うのだろうといつも思う。

ノッコの対応に疲れ、なんとなく絶望的な気持ちになってしまった私は、一人でトイレにこもって泣いた。

(どうしてノッコはこうなんだろう、、。)

(どうしてノッコはもっと普通になってくれないんだろう、、。)

普段はノッコのいいところを見ながらポジティブにいこうとがんばっているけれど、そんな夜はついつい(どうして、、、)という言葉が口をついてしまう。

勉強もできない。

運動もできない。

何をやらせても人より上手にできない。

せめて性格だけでも穏やかで謙虚なら励ましたくなるけど、この気性の激しさではそんな気さえ起こらない。

(もう逃げたい、、、、)

とにかくノッコから逃げたい。

ノッコから逃げて、以前の自分に戻りたい。

以前の自分になって穏やかな心を取り戻したい。

そんな風に思ってしまった。

そんなふうに落ち込んだ夜は、

「ねえジョン、一つでいいからノッコの優れているところを私に教えて」

と訊いてみる。

するとジョンはしばらく考えてから、

「そうだなぁ、、」

「そうだ、ノッコはキムチが食べられるよね。」と言った。

「、、、、、、。」

「キムチが食べられるアメリカ人の7歳児はそういないと思うよ。」

そう言って笑った。

ジョンの言いたいことは分かった。

けれどそんなジョンの冗談もその時の私には全然おもしろくなく、少しも気持ちを楽にしてはくれなかった。

そんなある日いつものようにノッコが癇癪を起こし、私とジョンが一生懸命それをなだめていると、ふと風太の姿が目に入った。

彼は部屋の隅で一人で静かにミニカーで遊んでいた。

ノッコの機嫌がいい時、風太は「これでもか」というくらいノッコにちょっかいを出す。そしていつもノッコと遊びたがる。

けれどノッコが癇癪を起こし、私たちとバトルをしている時は絶対に間に入ってきたりしない。

急に聞き分けのいい子になって、一人で静かに遊んでいる。

そんな風太が急に不憫に思えた私は、風太のそばに行って、

「ごめんね、風太。風太だって毎日ノッコとママたちがけんかしてるの見るの嫌だよね。」

と言った。

すると風太は、私に背中を向けたまま

「ノッコは、、、いつも怒ってばっかり」とつぶやいた。

それを聞いた私は、

このままじゃいけないな、と思った。

今のこの状況をなんとかしないと、ノッコだけでなく風太の人格形成にまで悪影響を与えてしまうかもしれない。

私たちがなんとかしなければ。

そう思った。

その晩私はジョンと相談して、小児の精神科医にノッコを診てもらうことにした。

次の日早速知り合いの人達にいい精神科医を教えてもらえるようメールをした。

するとその日、まるでそんな私の動きを察したかのようにノッコの癇癪がピタッとおさまってしまった。

多少の愚図りはあったけれど、まるで別人のように素直で明るいいい子になった。

先週だったら私が「ほら、じゃあ宿題やっちゃおうか」なんて言おうものならすぐに「ギャー!」と泣きわめいていたのに、今週は「オーケー」とやけに素直。

この違いは一体何なんだろう。

私には全く理解できなかった。

ノッコという子供を7年間育ててきて、私なりに分かってきたことが色々とある。

ジェシカ同様、ノッコにはおそらく双極性障害の可能性があること。だから気分の浮き沈みが激しく、ハイパーな時と癇癪を起こす時の違いが激しい。

ノッコは普通の子より睡眠を必要とすること。
ノッコは普通の子の1.5倍は寝ないと機嫌が悪くなる。彼女の癇癪のほとんどは疲れからきているものだと思われる。

空腹に堪えられない
お腹がすくとすぐに機嫌が悪くなり、それをコントロールすることができない。空腹の上疲れていたりすると火がついたように癇癪を起こし始める。

などなど、、

けれど今回の癇癪事件から、私はもう一つのことを発見した。

それはホルモンの影響。

大人の女性が排卵日や生理日が近づくとやけにイライラしたり落ち込んだりしてしまうのと同じように、ノッコもホルモンの影響で気分の浮き沈みがあるのかもしれないと思った。

現に癇癪が激しかった先週は自慰行為の頻度も多かった。

動物だって交尾期には攻撃的になるし、十代の反抗期もホルモンの関係によるものだとどこかで読んだことがある。

だからノッコもその関係で妙にイライラしていたのかも。

以前は、ノッコの癇癪がひどくなると私はすぐに「きっと学校で何かあったのかな?」と心理的な理由を探りがちだった。

だからノッコに「ママに話してごらん」なんてカウンセラーぶって訊いたりしたこともあったけれど、ノッコはいつも「別に何もない」とそっけなく答えるだけだった。

今考えてみると、彼女の気分の浮き沈みは別に心理的なものではなく、ホルモンの関係のものだったのかもしれない。

ノッコ自身が自分でもどうしてイライラするのか分からないため、そのイライラをコントロールできない自分に更にイライラしてあんな状態になっていたのかもしれない。

この発見は私の気持ちをだいぶ楽なものにしてくれた。

ノッコの癇癪がホルモンの影響によるものだということが分かったからと言って、今後ノッコの癇癪がなくなる訳ではないけれど、ホルモンのせいなんだと気づくと、私の中で(これはノッコのせいじゃない)という気持ちが強くなって、以前より少しだけ寛容的になれる気がした。

しかもホルモンのせいであれば、ひどい癇癪も一時的なものだと分かるので、先週のように(一体これがいつまで続くんだろう)なんて絶望的な気持ちにならなくても済むと思った。

そういう意味では、子育ての困った現状を科学的に理解することってすごく大切なことなんだなと思ったりした。

私はもちろんこれからも、今まで通りノッコに感情のコントロールの仕方について話していくつもりだ。

怒りたくなったら数を数えたり、音楽を聞いたり、本を読んだり、楽しいことを考えたり、自分の部屋に行って寝転んだり(今のところこれらは全くできていないのだけれど)。

けれど今度また「癇癪台風」が到来した時は、ノッコは私たちを困らせたくて癇癪を起こしている訳ではないんだと理解しようと思う。

そして泣き叫ぶノッコの中で小さく「本当は変わりたいの」と囁いている彼女の声に耳を傾けてあげたいなと思う。



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出産は命がけなのに


先日、知り合いの日本人から「妊娠して赤ちゃんが生まれることになったので、色々協力してもらいたい。」という相談があった。

けれど私は正直言って彼女の助けをしたくないと思ってしまった。

それは、その女性とは合わないと思う出来事が以前あったからだった。

                                 ◇

私が今住んでいるところに引っ越して来てしばらくすると、ジョンの職場の人から「実は近々結婚することになったんだけど、彼女が色々結婚式のことでさわこに相談したいことがあるっていうから一度会ってもらえないかな?」と聞かれた。

私はその同僚のことをあまり知らなかったけれど、彼のガールフレンドが最近日本から来たことは知っていた。でも彼女は年齢も私よりずっと下だったし、これと言った共通点もなかったので、特に会いたいとは思っていなかった。

でも当時の私には日本人の友人が誰もいなかったので、これを機会に彼女と友達になろうと思いその女性と会ってみることにした。

会って話をしてみると彼女とは色々と気の合うところもあり、その後も何度か二人でお茶をしたりした。

そして彼女が初めて家に来た時、私とジョンの結婚式の写真を見て、私の着たウェディングドレスをすっかり気に入ってしまった。

そして「私もぜひこのドレスを着て結婚式を挙げたいので、お借りすることはできませんか?」と聞いてきた。

さすがに自分の着た思い出深いドレスを貸すことには躊躇したけれど、私は「いいよ。」と言った。

というのは、私にはウェディングドレスが二つあったから。

ジョンとの結婚が決まったのは私たちが中国にいる時だった。中国でとても気に入ったデザインのドレスが見つかり購入したけれど、それに合うペチコートがアメリカでどうしても見つからかった。そこで結局悩んだ挙句アメリカで別のドレスを買うことにしたのだ。

なので自分の着たドレスは貸せないけど、別のドレスでもいいのならということで彼女にそれを試着してもらった。

ちょうどサイズも合ったので、「ベチコートは自分で買うことになるけど」という条件で、中国で買った方のドレスを彼女に貸すことにした。

その数ヶ月後、彼女はそのドレスを着て南米のリゾート地で結婚式を挙げた。

結婚式が終わって半年ぐらいした頃、彼女から「ドレスを返したいので、うちでランチをしよう」というメールが来た。

私もそろそろドレスを返して欲しいと思っていたので、彼女の家にランチをしに行くことにした。

ランチをする日の朝、ちょっと時間より遅れるかもしれないという電話を彼女にすると、彼女は「問題ないよ」と言ったあと、

「そうだ、こっちに来る途中にどこかに寄ってサンドイッチを買ってきてもらえるかな?」と言った。

てっきり彼女がランチをごちそうしてくれるものだと思い込んでいた私は、さすがにビックリして、

「えっ?サンドイッチ?」と聞いてしまった。

「うん、フルーツサラダは作ったんだけど、やっぱりメインがあった方がいいかなと思って。」

「じゃあ、サンドイッチは私が食べるためにってこと?」

「ううん、えっと、私の分も買ってきてもらえるとうれしいんだけど、、」

「わかった、じゃあ二つね。」

そう言って私は電話を切った。

その時点でなんだかもうランチをする気がなくなってしまったけれど、とりあえずドレスは返して欲しかったので、サンドイッチを持って彼女の家に向かった。

案の定ランチは、私の買ってきたサンドイッチとフルーツサラダのみだった。

ランチが終わり、家に帰る時に私は

「じゃあ、ドレスを返してもらえる?」と彼女に聞いた。

すると彼女は「あっ、そうだね」

と言いながら、ぐちゃぐちゃになって袋に入れられたままのドレスをクローゼットから出してきた。

もちろんドライクリーニングなどかけてない。

よっぽど何か言おうと思ったけれど、彼女とはもう会うことはないだろうと思ったので、その時は何も言わずに彼女の家を後にした。

そのあとは、彼女の方からも私からも連絡することはなくなってしまった。

風の噂で、彼女は結婚式から一年ぐらいして旦那さんと別れたときいた。

そして先日、何年かぶりに彼女の方から急に電話が来た。

「前の旦那と別れてから日本人の男性と付き合っているのだけれど、最近妊娠していることが分かった。」という話だった。

その彼とは結婚するそうだ。

けれど彼も彼女もまだ学生で保険がないので、どうやったら保険に入れるのか教えて欲しいという。

そして検診の時も、車の運転ができないしドクターの英語が分からないので助けて欲しいという。

それを聞いて私はすかさず、

「日本で産んだ方がいいんじゃない?」と言ってみた。

けれど彼女は

「せっかくアメリカにいるんだから、子供にアメリカの国籍もあげたい」と言った。

でも私は、英語も分からない、車の運転もできない、健康保険もなくてどうやってアメリカで子供を産むのだろうと思ってしまった。

安産ならいいけれど、Cセクションや、思いがけない危険な出産になる可能性もあるのに。

日本に帰ればご両親(関係は良好)も友達もいる、保険もある、そして日本語で全てが通じる。

そんな好条件の中でどうして安心して子供を産まないのだろう。

そんな1から10まで人に頼らないとできないようなアメリカでの出産はしない方がいい。

もしも赤ちゃんに何かあったらどうするの?。

生まれてくる赤ちゃんのためにも日本で出産した方がいい、と強く説得した。

けれど彼女は「子供にアメリカ国籍をあげたい」の一点張りで決心を変えようとはしなかった。

そう言う彼女に私は「申し訳ないけど仕事と子育てで忙しくて協力してあげることはできない」と言って電話を切った。

けれどそのあともずっともやもやして眠れなくなってしまった。

私は出産した経験がないから分からないけれど、赤ちゃんを産むって母親にとっては命がけの仕事なのではないのだろうか。

だから母親は、もっと責任をもってその大事業に臨むべきなのに。

彼女のあまりの計画性のなさ、無責任さに、私はどうしようもない不安を覚えた。

それでも、、

やっぱり彼女に協力してあげたいとは思えなかった。

彼女のお願いを断った私だから、今更彼女を心配する権利はないのだけれど、それでもやはり一人の親として今は赤ちゃんが問題なく無事に生まれてくれること祈らずにいられなかった。


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男性の心理が分からない

* これは去年のクリスマス頃のお話です。


ある日夕食を済ませ家族でくつろいでいると、ふいにジョンが、

「そうだ!」と大きな声をあげた。

「なーに、急に?」私がそう訊くと、

「他人の噂話はあまり好きじゃないけどさ、」

そう言いながら、ジョンは共通の知り合いの話をし始めた。

「〇〇部のダニエル覚えてる?」

「うん、マット君のお父さんだよね。マット君もノッコと同じ頃に養子にもらわれたから、ノッコ達が小さい頃時々プレイデートをしてたよね。」

「そうそう、そのダニエルなんだけどね。」

「うん。」

「去年離婚したらしいんだよ。」

「えっ? あのクローディアと?」

「そうそう、ダニエルの奥さんはクローディアっていう名前だったよね。」

「うん、あの二人、すごく仲が良かったのにどうして?」

「それがね、ダニエルは21歳の女の子と再婚して、今はもう赤ちゃんもいるそうだよ。」

「えーーーーーーーーーーっ!!!!!」


ジョンからこの話を聞いた時、私は腰を抜かすほど驚いてしまった。

だってダニエルとクローディアは、誰もが羨むおしどり夫婦だったのだ。

                               ◇

ダニエルはジョンと同じ職場に勤めていて、以前はただの顔見知りという感じだった。

けれどダニエルが私たちと同じ頃に養子をもらったことがきっかけでよく話すようになり、彼を通じて奥さんのクローディアとも仲良くなった。

それから家族ぐるみでよくピクニックをしたり、ホームパーティをしたりした。

けれど数年前に彼らがちょっと遠くに引っ越してしまったので、それからあまり会わなくなり、そのまま連絡もしなくなってしまった。

ダニエルは今年52か53歳ぐらいで、とても穏やかでやさしい人だった。

クローディアも恐らく50歳ぐらいで、二人は本当に仲が良く、何をするにもいっも一緒だった。

マット君は生まれてすぐにそんな二人の養子となり、愛情をたっぷり受けながらすくすくと育っていた。

それなのに、、

あのダニエルが浮気だなんて。

しかも相手は21歳の女性。

すでに子供まで作って、、、。

あんなに家庭一筋に見えたのに、、、。

どうして?

この噂話の張本人がダニエルでなかったら、きっと私も「へえ、そうなんだぁ」ぐらいで終わっていたかもしれない。

けれど私から見てダニエルは、全てを包み込むようなやさしさと誠実さを持つ一番浮気しないタイプの男性に思えた。

それに40歳半ばで養子をもらった時点で、彼は今後の自分の人生をその子に注ぐつもりなのだと思い込んでいた。

それなのにマット君とクローディアをおいて、自分の幸せにためにそんな若い女性と再婚するなんて。

妊娠できなかったことをずっと悩んでいたクローディアの気持ちはどうなるのだろう。

あんなにパパが大好きだったマット君の気持ちは?

マット君は、自分は産みのお父さんに捨てられただけでなく、育ててくれたお父さんにも捨てられたのだと思ってしまうかもしれない。

そう思うと心が痛んで仕方なかった。

あの聡明で大人だったダニエルのことだから、きっと彼にも彼なりの理由があったのだと思う。

彼は一時の気の迷いで浮気、再婚をするような人ではけしてない。

あんなにかわいがっていたマット君と離れることを選んだくらいだから、その女性のことを本気で愛していたのだろうと思う。

それにこの浮気以前に、クローデイアとの関係もうまくいっていなかったのかもしれない。

夫婦間のことは、他人の私にはけして理解できるものではない。

それでも私は、やはりやりきれない怒りのような感情を抱かずにはいられなかった。

クリスマス休暇でジョンの両親がうちに遊びにきた時に、私は何かの話題からお義母さんにこの話をしてみた。

するとお義母さんは、「それは所謂midlife crisis ね。」と言った。

私たち(特に男性)は、40代に入ると自分の人生を振り返ることが多くなる。

そしてその結果、今の生活に疑問を持ち始めてしまうことがある。

仕事、家庭、周りの人との関係。

この生活が本当に自分の望んでいるものだったのか?

ずっと追い続け、でも叶わなかったあの夢は?

今からでも遅くないのではないか?

残り半分の人生。

このままで終わらせたくない。

そういう思いに駆られ、脱サラをする人、新しく事業を始める人、何か趣味を始める人、そして離婚する人が多いそうだ。

特に男性は自分の生殖能力の衰えを感じると、多かれ少なかれ危機感を抱くらしい。

「だから私の周りでも、50代に入って離婚したカップルはとても多いわよ。」

そうお義母さんは言っていた。

確かに私が高校生だった頃に、卒業と同時に3人のお友達のご両親が離婚して驚いたことがあった。

そしてその3組とも離婚の原因はお父さんの浮気、再婚だった。

あの頃は自分も若かったから、どうして何十年も一緒に暮らしたカップルがそんなに年を取ってから離婚をするのだろうと思ったけれど、今ならその理由が分かるような気がする。

きっと子供達が高校を卒業するまでは離婚しないと決めていたのだと思う。

ダニエルの話とお義母さんの話を聞いて、私は急に色々なことが不安になってきてしまった。

今はジョンとの夫婦関係はとても良好なものだと思っているけれど、あのダニエルが奥さんと子供を捨てることを選んだのなら、けしてジョンにもそれが起こりえないとは言い切れないと思った。

もちろんジョンを信用していない訳ではけれど、男性は私が思っていたよりずっと身体的な欲求に弱いものなのかもしれないと思うようになった。

それにダニエルは、本当は心の奥でずっと自分の血を分けた子供が欲しかったのかも。

だからあんなに愛していたマット君を捨てることができたのかも。

そんなことを考えていたら、なんだかマット君が不憫すぎて泣きたくなってしまった。

確かにジョンとダニエルは違う人間だし、他人の私にはダニエルとクローディアの間に何があったのか、ダニエルとその21歳の女性との関係がどんなものなのかなど分かる術はない。

けれど自分たちの夫婦仲がうまくいっているから、もしくはジョンが子供達を愛してくれているから、だからダニエルに起こったことがジョンには起こりえないと信じ込むことはできないのだと思った。

実は私は心の底で、養子をもらうような夫婦は離婚などしないと思い込んでいた節があった。

養子をもらうというのは夫婦にとって人生を左右する非常に重大な決断だ。

だからみんなかなりの覚悟を持って臨むのだと思っていた。

どんなことがあっても途中で投げ出したりしない。

そんな心構えを持ってみんなが申請するのだと思った。

けれどダニエルのケースを見て、どんなに待ち望んだ養子を受け入れても、夫婦間に亀裂は入ってしまうし、浮気だって起こり得るんだと思った。

「養子までもらっておいて、離婚なんて、、」

そんな理屈はもう通じない。

だって実子同様、養子は夫婦間を保つための担保ではないのだから。

だから私はジョンと話し合いをしながら、夫婦の関係、子供達との関係を、常に見直していかなければいけないのだと改めて思うのだった。


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ノッコがとった最低の行動

*これは半年以上前のお話です。


ノッコは親友のキラと一緒に2015年の秋に器械体操を習い始めた。

普段からジャンプしたり、棒にぶらさがったりするのが大好きなノッコにはピッタリの習い事だと思っていたし、私たちの予想通りノッコは毎週とてもはりきって通っていた。

身体を動かすのが大好きなノッコだったけれど、集中力のなさが致命的だったのか、半年もすると他の子達よりどんどん遅れるようになっていった。

先生が説明をしてくれている間、ふにゃふにゃしたり、隣の子と話したり、何か他のことをしたりして全然その話を聞いていない。

「じゃあ、始めましょう」と言われて始めて何かしなくちゃいけないことに気づくけれど、説明を聞いていなかったので何をするのか分からず、それをごまかすためにまたふざけてしまう。

周りの子をが何をしているのかを見てようやく練習に入るけれど、しばらくするとすぐに飽きてまたふざけ始める。

こんな調子だったので、熱心に練習している子供達がどんどん上のクラスに進級していく中、ノッコはなかなか上のクラスに上がれずにいた。

でも友達のキラが一緒だったので、ノッコはそれほど不満に思っていないようだった。

ノッコよりずっと身体の小さいキラも、最初の頃は確かに奮闘していた。

けれど彼女はものすごい努力家だったので、半年を過ぎた頃からめきめき上手になり、とうとう上のクラスに上がることができるようになった。

その発表はレッスンの最後にあったようで、教室から出てきたキラは「ママー!」とうれしそうに自分のお母さんのところに走って行った。

その後ろから出てきたノッコは、眉間にシワをよせ、両肩をいからせ、唇を尖らせて、まるで漫画のキャラクターみたいな分かりやすさで「不機嫌」を表していた。

「どうしたの、ノッコちゃん?」

私がそう訊くと、

「キラはリボンとキャンディーをもらったのに、ノッコはもらえなかった。」とノッコは答えた。

「それはキラが上のクラスに上がったからじゃない?」

「ノッコもキャンディー欲しい!」

「じゃあ、ノッコちゃんも負けずに練習して上にあがれるようにがんばらないとね。」

「ノッコ、先生に聞いてくる!」

そう言ったかと思うとノッコはスタスタと先生のところに行き、

「キラはキャンディーをもらったのに、どうしてノッコはもらえなかったの?」と訊いていた。

すると先生はちょっと困った顔をして、

「それはキラが上のクラスにあがったからよ。ノッコちゃんはほら、バックのでんぐり返りがまだできないし、他にも練習しなくちゃいけないところがいくつかあるからね。でもがんばって練習していればすぐに上のクラスにあがれるよ。」

そう言って励ましてくれた。

それでもノッコは納得ができなかったらしく、私のところに戻ってきてから「うわーん」と泣き始めてしまった。

その大泣きはどんどんエスカレートし、とうとうノッコは2歳児のように床に寝転がって「ノッコもキャンディーが欲しいー!」と足をバタバタさせ始めた。

そんなノッコを見て一番困ってしまったのは、キラとキラのお母さんだった。

キラのお母さんはノッコのそばに来て、

「ノッコちゃんもすぐに上のクラスに行けるわよ。ノッコちゃんの側転はすごくきれいだもの。また上のクラスでキラとがんばろう。」

とやさしく声をかけてくれた。

けれどノッコはその言葉を無視して、ただバタバタと泣き叫び続けた。

そしてキラがそばに来て気まずそうに

「ノッコ、バイバイ」

と言うと、こともあろうかノッコはキラに向かって

あっかんべーをした!

私はその瞬間ノッコの頭を「パコーン」と叩きたい衝動に駆られたけれど、それを必死でおさえて、

「ノッコちゃん、大切なお友達になんてことしてるの!謝りなさい!」と怒鳴った。

私に怒鳴られて更に大泣きをしているノッコを、キラは困ったような顔でしばらく見ていたけれど、そのまま去って行ってしまった。

私は泣き叫ぶノッコを引きずるようにして車に乗せ、

「ノッコちゃん! 友達にうれしいことがあった時は、一緒に喜んであげるのが親友っていうものでしょ! なのにあのあっかんべーは何? さっきノッコちゃんがとった行動は、友達として最低の行為だからね!」

そう怒鳴った。

けれどノッコは相変わらず「キャンディーが欲しかったー!」とヒステリックに泣きわめくだけだった。

ノッコがこういう状態の時は、「キャンディがもらえなかった」ということしか彼女の頭にはなく、私が何を言っても彼女の心には響かないことは分かっていたので、私はだまってノッコが落ち着くのを待つことにした。

しばらくオーディオストーリーをかけながら車を走らせていると、ノッコは泣き止み少しずつ落ち着いてきたようだった。

私は様子を見計らって車を道端に寄せ、ノッコにもう一度話をすることにした。

友達にうれしいことがあった時は喜んであげるのが本当の親友というもの。
悔しい気持ちがあっても、それを表情に出さず「私もがんばるから待っててね」と言えるように努力すること。
キラは上のクラスにいくために毎日一生懸命お家で練習していたこと。
ノッコも上手にできる種目がたくさんあるんだから、もう少し練習すればすぐに上のクラスに行けるようになること。

そんな事をゆっくりと話した。

「もしもノッコちゃんが一生懸命練習してようやく上のクラスに上がったときに、周りのお友達がノッコにあっかんべーをしたらどんな気持ちになる?」

最後に私がそう訊くと、

「、、、、、嫌な気持ちになる。」と答えていたので、自分がした事が悪い事だった事は理解しているようだった。

お家に帰ってからノッコはキラにカードを書きたいと言い、「ごめんなさい」と「おめでとう」をそのカードに書いていた。

                           ◇

あの日ノッコはキャンディーがもらえなかったことにずっとこだわっていたけれど、あの癇癪の本当の理由がキャンディーでなかったことは私にも分かっていた。

周りのお友達がどんどん上のクラスにいってしまう中、唯一のキラまでいなくなってしまって寂しかったのだと思う。

そしていつまで経っても上手にならない自分へのイラだちもあったのかもしれない。

でもだからと言って、癇癪を起こしてお友達を傷つけていい理由なんてどこにもない。

だからあの時、私はノッコにたっぷりお灸をすえたのだ。

ノッコに、友達の前で自分の感情を抑えることの大切さ、毎日練習することの大切さを学んで欲しいと思ったから。

あの日以来ノッコは、キラがいなくなったクラスでも新しいお友達を作り楽しく器械体操に通っていた。

平均台の練習の時、他の子はみな落っこちるのを恐れて2−3cmぐらいしかジャンプしないのに、ノッコはいつも思いっきりジャンプして思いっきり落ちていた。

そのせいでいつまで経っても平均台のテストでは不合格。

あんなに高くジャンプしたらバランスを失って落ちてしまうことぐらいどうして分からないんだろう、と私は溜息をついたりするけれど、落ちる事を恐れずジャンプし続けるノッコを誇らしく思うようにもなった。

定型におさまらず、いつもはみ出しているノッコ。

そのせいで中々評価されない事も多い。

けれどそんな彼女にも、きっといつか花咲く時がやってくる。

今はそう信じて見守っていくしかないのかなと思う。



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子育てへのアドバイスが辛いとき


*これは先日のクリスマスのお話です。


普段からジョンのお父さんもお母さんも、私たちの子育てに対してほとんど口を出さない。

意識的にそう気をつけているようで、何か言いたそうに見えるときでも「ぐっと」それを我慢しているのが分かることがある。

私はそんなお義父さんとお義母さんにいつも感謝していた。

虐待などをしない限り、子育てのどれが正解でどれが間違っているかなんて誰にも分からないと思うし、お義父さんや義母さんの価値観を私たちの子育てに押し付けられるのはやはりいい気はしないから。

それなのに今回のクリスマス滞在の時、お義母さんは珍しく私たちのやり方に口を出したり「アドバイス」をしてくることが多かった。

それはきっとお義母さんがノッコの宿題をみてあげた時、彼女の学習能力が想像していた以上に低いことに改めて驚いたからだと思う。

何度同じことを教えても、何度も同じように間違えてしまうノッコ。

そんなノッコを見てお義母さんは、

「ノッコはきっとディスレクシアがあるのではないか?」

「何かの学習障害があるに違いない」と何度か私に話してきた。

その度に私が「専門家に診てもらったけれど障害ではないらしい」と説明しても中々納得してくれず、何度も「専門家に、、、」と言ってくるのだった。

お義母さんが心配して言ってくれていることはよく分かっていたけれど、ノッコの学習のことでさんざん悩み、ようやく前向きに考え始めていた私にはどうしてもうっとうしく感じてしまうのだった。

けれどお義母さん達が帰る数日前に、ノッコが50個以上覚えた漢字をノートに書いたり、日本語の教科書を声を出して読んでいるのを見た時に、お義母さんはえらく感心して「ノッコは学習障害ではない」と言い切っていた。

私は心の中で(だから何度も言っているのに、、、)と思ったけれど、その時のお義母さんがとてもうれしそうだったので、あえて水を差すようなことは言わなかった。

そして今回の滞在でお義母さんがいつもより私たちの子育てに口出ししてきたもう一つの理由に「ダナ達の子育てと比べてしまうから」というのがあったと思う。

以前の記事にも書いたけれど、ダナ達の子育ての仕方はとてもすばらしいらしく、双子ちゃん達はとっても賢くよい子に育っているようだった。

それを知ってしまったお義母さんには、私たちのやり方がどうも気に障って仕方がないようだった。

それでよくアドバイスをくれた。

「ダナ達は本当にいつも双子ちゃんに本を読んであげているから、 二人とも本が大好きなのよ。まだあんなに小さいのに、“本を読む時間ですよ”ってダナが言うと、自分たちの好きなソファーに座って待ってるの。その姿がかわいいったら。さわこも“本読み”の時間を作ってあげたらノッコももっと本好きになるんじゃない?」

「ダナは双子ちゃんがアートに興味を持つように、家にはいつもアートやクラフトグッズがたくさん置いてあるのよ。だから双子ちゃんはお絵かきが大好きでね。さわこ達も今度おもちゃ屋に行った時に、ノッコ達のやりたいアートグッズを買ってあげたら?」

「ダナはアマゾンで大量にplay doh(ねんど)を買って、いつもそれを双子ちゃんにやらせているのよ。すごく安いからさわこも買ってやらせたら?」

と、こんな話の連続だった。

そしてお義母さんのそんな話を聞きながら、私は心の中で(そんなの私も全部やってきたのに)と思ってしまった。

もともとクラフトやぬり絵が大好きな私は、ノッコが2歳くらいの頃から常にクラフトのグッズを買いあさり、それをノッコといつも一緒にやろうとした。読み聞かせも「これでもか!」というくらい毎日毎日やってきた。でもノッコも風太もクラフトにはあまり興味を持ってはくれず、いつも外で遊びたがるのでだんだん買わなくなってしまったのだ。(それでも諦めきれずたまに買うけれど)

それにアマゾンでplay dohを大量に買っていた頃もあった。

だけどノッコも風太もplay dohで遊ぶのではなく、どうしてもそれを食べてしまうのでplay dohを与えるのをやめてしまったのだ。

あんなにカラフルでいい匂いがしたら食べたくなってしまうのは仕方ないかな。

そんな風に思っていたし、逆にplay dohを食べない子供がいることの方が私には驚きだった。

まだ2歳半の双子ちゃんがお行儀良くできるのに、まるで野生児のような7歳と4歳のノッコと風太を見て、お義母さんは素朴に「どうして?」と思ってしまったのだと思う。

そんなお義母さんからのアドバイスを聞きながら私は、

(育てやすい子供を育てたお義母さんには本当に分からないんだなぁ)と思った。

ジョンもジョンの兄弟もみんな小さい頃は素直で優秀だった。

そりゃ小さな問題や反抗期は人並みにあったかもしれないけれど、そんなのノッコの問題とは比べものにならなかっただろうと私は思っている。

自分の子供達が手がかからなかったから、育てにくい子供を育てている人たちの気持ちが本当の意味で分からないのだろうなと思った。

そしてこれはお義母さんだけでなく、育てやすいお子さんを育てている周りのお母さん達にも言えることだと思う。

素直でなんでも上手にこなしてしまうエマを育てているマーナの一番の悩みは、

「食事中にエマがいつも歌をうたうこと」だった。

マーナはそのことをしょっちゅう私に愚痴ってくるけれど、正直言って私は(そんなことが最大の悩みなんて羨ましい)と思ってしまうのだった。

マーナはエマの宿題を見てあげたことがほとんどないと言う。

エマは自分でプリントを出してきて、自分でさささっと終わらせて、またファイルに戻すらしい。そしてその答えのほとんごが正解している。

私はノッコに付きっ切りで、たった一枚のプリントを終わらせるのに一時間もノッコと格闘する。暴れたり暴言を吐いたりするノッコをなだめながら、なんとか毎日宿題を終わらせるのだ。

毎日、毎日、来る日も、来る日も、そんなバトルが続くのだった。

ノッコの癇癪がすごい時は、椅子を壊されたり、ドアを壊されたりしたこともある。

そんなに苦労して毎日勉強を見てあげても、ノッコは勉強についていけず一年生を繰り返すことになった。

そんな私に、あまり苦労もしなかったお義母さんから「こうすれば」というアドバイスを受けてもうれしくない、というのが正直な気持ちだった。

365日ノッコを育てている私に、一年のたかが10日間ぐらいノッコの様子を見たお義母さんから子育てについてあれこれ言われたくない。

そう思ってしまった。

ダナの双子ちゃんがいい子に育っていることは本当にすばらしいと思う。

だけどそれをまるで母親の育て方の違いのように言われるのは、今の私にはとても辛い。

ジョンの両親の滞在中に次々とみんなが病気になり、その看病で疲れていたせいもあるのかもしれないけれど、お義母さんの話を聞く度に私はひどく落ち込んでしまった。

けれどジョンの両親が帰ったあとにお義母さんからメールが来て、滞在中に病気になって私に迷惑をかけたこと、色々とノッコのことで言いすぎてしまったことを詫びていた。

彼女はそうやってあとで反省してくれるからすごくいいと思う。

お義母さんも悪気がある訳ではなく、本当にノッコや私のことを心配して言ってくれていることはよく分かっているので、あまり彼女の「口出し」が辛い時は、私ももっと正直に彼女に伝えた方がいいのかなと思ったりした。


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キャビンでの自慰行為 そして今

* これは昨日の記事の続きで、半年以上前のおはなしです。


キャンプの夜、私とマーナはノッコたちの自慰行為について話をしたあと一階におりた。するとそこにはDVDを見ながら自慰行為をしているエマとノッコの姿があった。

どうやらノッコはエマにつられてしまったらしい。

とっさにマーナが「エマ! ちょっとエマ! こっち来て!」とエマを自分たちの部屋に呼んだ。

それを見て私も

「ノッコちゃんも、ちょっとこっち来て!」とノッコを自分の部屋に呼んだ。

どうして急に呼ばれたのかが何となく分かっている二人は、渋々とそれぞれ呼ばれた部屋に入っていった。

私はそこで再度「人前で触ってはいけない」ということをノッコに説明したけれど、普段から何度も同じようなことを言い聞かせているので、私たちの話し合いは比較的すぐに終わってしまった。

けれどマーナとエマは何やら話し込んでいるらしく、しばらく部屋からずっとでてこなかった。

マーナがエマに対して自慰行為の話をするのはそれが初めてだったため、どうやら色々と話し合っているようだった。

あとからマーナにどんな話をしたのか訊いてみると、私がノッコに話したのと同じような話をしたと言っていた。

その間エマはやはり「どうしてダメなの?」と質問してきたので、「人前で鼻をほじったり、おならしたり、咳をする時はそでで塞いだりするのと同じようにマナーの問題なのよ。周りにいる人に居心地の悪い思いをさせたり、不快感を与えたりするの」と話したらしい。

その晩はエマもノッコも自慰行為をすることはなく、ビデオを見終わってからそのまま寝てしまった。

                ◇

次の日の夜、子供たちは前の日と同じようにリビングルームでDVDを見ていた。

ジョンとドリアンも同じようにキッチンのテーブルで飲みながら話をしていた。

前の晩と一つだけ違っていたのは、私とマーナが子供たちと一緒にリビングルームにいたこと。

そして私たちの目が常に追っていたのはテレビの画面ではなく、子供たちのある一点だった。

その「一点」がどこなのか、この後に及んで分からない読者の方はおりますまい。

DVDを見はじめてから30分ぐらいすると、ノッコに動きが出てきた。

右手で自分のプライベートを触り始めたのだ。

それを見つけた私は、すかさずノッコを注意しようとした。

けれどその前に、横にいたエマがノッコの耳元に何やらコソコソと言葉を吹き込んだ。

それを聞いたノッコは「ハッ」として、すぐに自分の右手をひっこめた。

そのあとエマは、またノッコの耳元に何やらごにゃごにゃと話しかけていた。

そして二人で笑いあったりしていた。

そのないしょ話のあと、ノッコもエマは自分の手をプライベートに持っていくことは一度もなかった。

                    ◇

この時の「エマのヒソヒソ話」以来、ノッコは人前で自慰行為をすることが一切なくなった。

エマも同様だとマーナが言っていた。

親の私が何十回注意してもおさまらなかったノッコの自慰行為が、エマの一言でピタッとおさまってしまったのだ。

これぞPeer pressure のパワー。

キャビンで自慰行為をしているエマとノッコを見た時は心底ビックリしたけれど、同時に私はオンラインで読んだ内容は正しかったのだと思ったりした。

7歳児にとっての自慰行為は、いけないと分かっていてもしてしまう「おしゃぶり」や「鼻ほじり」とほとんど変わらないものなのだということ。

ただの「癖」でそれ以上の深い意味はない。

だから友達の前でも平気でできるし、その行為は友人間で連鎖もする。

でもマーナと話しているうちに、エマはどこかで「自慰行為」が「鼻ほじり」や「髪の毛を口に入れて噛んでしまう」という癖とは違うということを理解したのだと思う。

そしてそのエマの言葉を聞いたノッコも、ようやくその違いを理解できた。

それはエマがヒソヒソと話した内容が特別だったというよりは、その注意がいつもガミガミうるさいママではなく、親友のエマから来たということが効果的だったのだと思う。

子供の心理ってどんな風に働くのか分からないから、本当おもしろいと思う。

                    ◇


そしてノッコの自慰行為の現状はというと。

もちろん今でもしっかりやっている。

けれど必ず自分の部屋で。

よく禁煙家が「いつも吸っていた場所にいくと吸いたくなる」というのと同じように、ノッコもそれがしたくなる場所と時間帯が決まっているようで、学校から家に帰ってくると真っ先に自分の部屋に行く。

そしてドアを閉めて15分ぐらいすると出て来る(そのまま寝てしまうこともある)

私もジョンもノッコが何をしているのか分かっているけれど、あえて何も言わない。

けれど若干一人、そこのところを心得ていない人物がいる。

それはまぎれもなく風太。

時々ノッコの部屋のドアを開けて「遊ぼ!」と言っては、怒鳴られて泣く。

でもノッコはそのroutineが終わると心身ともにスッキリするのか、部屋から出て来ると比較的機嫌がいいことが多い。

そんなノッコをみていて、こんな小さな子供にとっても自慰行為は生理的に必要な行為なのかもしれないと思ったりする。

人間として普通に起こる欲求を無理やり抑え込めてしまうことは、やはり不健康だし、子供の成長にとってもよくないのかもしれない。

そして今回のことから私が学んだもう一つのことがある。

それは「子育てて悩んだら友人に相談する」

もうこれに尽きる。

今回のノッコの自慰行為については、その内容があまりに個人的なことだったので私は誰かに相談するのをずっと躊躇していた。

そしていつまで経っても解決しない苛立ちをいつもノッコ本人にぶつけていた。

だからマーナの方から相談してきてくれた時には心底うれしかったし、私の気持ちも100倍楽になった。

特に私は「自分だけじゃない、ノッコだけじゃないんだ」と思えると、気持ちがずっと楽になるタイプなので、こんな身近なエマもしていると知った時は、黒雲がはれたように気持ちがスーッと楽になった。

だからあのキャンプでの一晩がノッコと私の両方を変えてくれたのだと思う。

私を信用して相談してくれたマーナにも感謝だし、そっとノッコに注意してくれたエマの行為にも感謝。

やはり持つべきものは友達、だね。



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娘の自慰行為:意外な解決策

* これは前回の記事の続きで、半年以上前のお話です。


日本語学校での自慰行為がおさまったかと思ったら、今度は家や車の中で頻繁に自慰行為をするようになってしまったノッコ。

どうしたものかと頭を悩ませていると、その解決方法は意外なところからやってきた。

                               ◇

2016年の夏に、私たちとマーナ一家は念願の「二家族合同キャンプ」に行って来た。

キャンプと言っても、森の中にある大きなキャビンをみんなで借りてそこに泊まったのだけれど、それは本当に本当に楽しい経験だった。

そのキャビンに泊まった最初の夜、子供たち四人はリビングルームでDVDを楽しみ、大人たちはキッチンで話をしていた。

私が2階にあるクリームを取りに行こうとリビングルームを通り抜けた時、ふとエマ(マーナの娘、ノッコと同い歳)の手が、彼女のプライベートに置かれているような気がした。

けれどそれは一瞬だったので、さほど気にもせずにそのまま階段を上っていった。

2階でクリームを探していると、下からマーナが上がってきた。

そして私に、

「ねえ、さわこ、、ちょっと相談したいことがあるんだけど、、」と話しかけてきた。

「なーに?」

「うん、、、。すごく訊きにくいことなんだけどさ、、、さわこだったら、どうする?  もしも自分の娘が、、その、、、自慰行為をしていたら。」

「えっ!」

あまりに思いがけない質問だったので、私は一瞬ノッコのことを言われたのかと思った。

「エマがしてるの?」

「そうなのよ。時々車の中で自分のプライベートを触ってるの。今もDVDを見ながら触ってたのよ。私も何か言わなきゃと思いながら、なんと言っていいのか分からなくて、ただ見てみないふりをしちゃうんだけど。本当はすっごく嫌なのよね。」

そう話しているマーナの顔をじっと見ながら、私は思わず彼女の両肩を「ガシッ」と掴み、それをブンブン前後に振りながら、

「マーナ、ありがとう!  ありがとう! 相談してくれてありがとう!」

と何度も、何度もお礼を言ってしまった。

「なーに、さわこ、“ありがとう”って」

困惑しているマーナに私は、

「だって、だって、私もずっと、ずっと悩んでいたんだもん、ノッコの自慰行為。でも誰にも相談できなくて、ほんと、一人でずっと悩んでたから。」と言った。

「えっ? ノッコちゃんもしてるの?」

「そうなのよー!」

そう言って私はマーナに日本語学校での出来事を話し、私のその後の試行錯誤と現在の状況を説明した。

「そうだったんだ。 私も誰にも言えずにいたから、さわこも同じ問題で悩んでたって知ってちょっと気が楽になったよ。」

「私もよー! もう楽になったなんてもんじゃないわよー! だって日本語学校の先生は、“よくあることです”とは言ってくれたけど、ノッコのクラスでそんなことしてる子は誰もいなくて、身近にも誰もいなくて、だからやっぱりノッコだけの問題なんだと思ってたのよ。そしたらこんな身近に同じように悩んでるお母さんがいたなんて! もう、気持ちがスーッと楽になったわー。」

「それでさわこはノッコちゃんと話したの?」

マーナがそう訊いてきたので、以前インターネットで調べた内容を説明し、ノッコには「触ってもいいけど、人前ではしない」と伝えていると話した。

「そうだよね。私も自慰行為自体をやめさせようとは思わないんだけど、人前でやるのはやめて欲しいんだよね。エマはきっと学校でもしてるんだと思うんだ。」

「ノッコもきっとやってるよ。もうあれは癖になっちゃってるんだろうなぁ。」

「じゃあさ、今夜二人でエマとノッコちゃんに話してみる?」

「えっ? 二人一緒に?」

「うん、」

「うーん、それはどうかな? ノッコは自慰行為は恥ずかしいことだっていう認識はあるから、エマに知られたくないと思ってるかも。」

「そっかあ。じゃあ、別々に話してみる?」

「そうだね。さりげなく話してみようか。」

「何て話す?」

「彼女たちの年齢は“触っちゃダメ”と言ってもどうしてなのか分からないみたいだから、もっと具体的に、1」人前でやらない。2)もしも触りたくなったら、自分の部屋かプライベートな場所にいってする。3)もしも近くにそういう場所がなかったら、別の物を触って気を紛らわす。みたいな感じかな?」

「そうなんだよねー。あの年齢の子供にセクシュアリティーについてどこまで話したらいいのか分からなくなるんだよね。エマはよく露出した服を着たがるんだけど、私がダメっていうと、“どうしてダメなの”って訊いてくるのよ。そういう服が好きな大人の男性がいるなんて話せないし、かといってちゃんと説明しないとエマは納得してくれないし、ほんと難しいよね。」

「そうなんだよね。私自身もなんとなく照れくさいというか、気まずい話題だから、ついつい不自然になっちゃうよ。」

「結局セックスが何なのかの説明をしないことには、どうして大人の男性の気を引くような行動をしちゃいけないのかを理解させるのは無理だと思うんだよね。でも7歳児にセックスの話をしてもいいものなんだろうかね。」

「それって養子縁組においても難しい問題なんだよ。ノッコも風太も産みのお母さんから自分たちが生まれたことは理解してるんだけど、産みのお父さんがどう関わっているのかが理解できていないんだよね。だからどうして自分には自分を産んでいない産みのお父さんがいるのかがよく分かっていないみたい。そこのところを説明しようとするとどうしてもセックスの話になっちゃうから、まだあやふやにして話してないんだけど、、。」

「なるほどね。それは確かに難しいね。」

「そういう話はノッコと風太がもう少し大きくなるまで待つしかないかな。」

「そうだね。」

二人でそんな話しをしたあと、私とマーナは一緒に下の階に降りていった。

そしてその時私たちの目に入ってきたものは、

なんと、

ソファーに座ってDVDを見ながら、自慰行為真っ最中のエマとノッコの姿だった!



*ごめんなさい。 今回で終わらせるつもりだったんですが、思ったより長くなってしまったので更にもう一回だけ続きます。


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娘の自慰行為 自分なりの解決策を先生に相談

* これは前回の記事の続きて、半年以上前のおはなしです。


新年早々この話題か? という感じですが、まだノッコの自慰行為についてのシリーズが終わっていないので、その続きを書いておきたいと思います。

日本語学校の授業中にだけ自慰行為をしてしまうノッコ。

どうやったらそれをやめさせることができるのか、私は色々と考えてみた。


1、手のマッサージになるようなものを持たせて、授業中はそれを触らせるようにする。

そこでこんなのを買ってみた。

2017-01-04_1247.png



2、授業中落ち着きのないノッコは、現地校ではボールのついた椅子に座らせてもらっているので、私たちでその椅子を購入し日本語学校でも使わせてもらう。

その椅子はこんな物。

2017-01-04_1248.png


3、生理用ナプキンの分厚いのをノッコの下着につけて触らせないようにする。

4、生地の厚いジーンズを履かせる。

5、「帰りの会」の時は、ノッコを私と一緒に立たせておく。


今から思い出すと、本当に色々考え出したなと思えるくらいあの頃はとにかく必死だった。当時はノッコの自慰行為を見たくない、誰にも見せたくないという、その思いだけで一杯だったから。

一応考えられる案を全部書き出したあと、私はそれらをノッコの先生にメールで送り彼女の意向を伺うことにした。

私はてっきり先生もこの問題にはさぞかし手を焼いていることだろうと思っていたので、「では、早速取り組んでみましょう」という返事がくるのだと思っていた。

けれど意外にも先生の返事には、

「お母さん、過剰に反応しすぎですよ」 というお咎めの言葉が!

続いて、

「こういうことはこの年齢の子供にはありがちなことですし、今は大袈裟に反応して対処法を探そうとするよりも、ノッコちゃんが自分で気づいてやめるようになるまで見守ってあげるほうが得策です。私自身はあまり気にしていませんので、私のことはご心配なさらないでください。ただ他の学生も気づいているようなので、授業中何かを触らせるのはいいかもしれません。私も気がついた時はやんわり注意するようにします。ノッコちゃんの自慰行為は、他の子より日本語ができないストレスも原因になっていると思われます。私も出来る限りノッコちゃんの勉強をみていきますので、お母さんもお家でのサポートの方をよろしくお願いいたします。」

というようなことが書いてあった。

それを読んで私はホッとしたような、気が抜けたような気がして体がガクッとしてしまった。

(先生が気にしていないなら、私もムキになってやめさせようとしなくてもいいのかな、、、)

そう考え直して、上記で挙げた対処法はとりあえず保留とすることにした。

ただジーンズを履かせることと何かを持たせることは簡単な方法だったので、その週の土曜日にはノッコに厚手のジーンズを履かせ、マッサージボールを持たせて日本語学校に行かせた。

そして学校についてからも、「授業中に股の間に手を入れちゃだめだよ」とリマインドしておいた。

その日の授業が終わり、ドキドキしながら「帰りの会」に参加してみると、予想に反してノッコは自慰行為をしていなかった。

授業の後こっそり先生にどうだったか聞いてみたけれど、その日は一度もプライベートに手を当てていることはなかったと言っていた。

(ああ、よかったぁぁぁぁ。)

とりあえずホッと胸をなでおろした私。

それからは、日本語学校に行く時はいつもジーンズを履かせ、マッサージボールを持たせるようにしたのだった。

日本語学校での自慰行為はとりあえず収まったノッコだったけれど、その代りなのか、今度は家でも車の中でも自慰行為をするようになってしまった。

それは家族の前でだけなので、私たちさえ見ないふりをすれば済む問題だったのだけれど、私はどうしても車のバックシートで自慰行為をしているノッコが耐えられなくなってしまい、時々「ノッコちゃん! ほら、手!」などときつい言い方で叱ってしまうことがあった。

そんなある日、ある意外なことがきっかけでこの問題は解決の道をたどった。


つづく


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明けましておめでとうございます!

いつも 「ほっぺとほっぺ」をご訪問くださっているみなさま、

明けましておめでとうございます。

皆様の2016年はどんな年でしたか?

私たち一家は、毎日バタバタと忙しい日々を送りながらも、おかげさまで充実した一年を過ごすことができました。

特に忙しい師走は本当に目が回るほと忙しく、ジョンの両親の滞在中に予定していた記事の更新が全然できませんでした。

クリスマス前にジョンの両親が遊びに来てくれたのですが、ジョンの病気がお義母さんに移ってしまい、そのあとお義父さんにも移ってしまったので、私は彼らの看病と子供達の世話、それから家事全般をこなして死にそうでした。

それでもなんとかクリスマスを楽しくすごし、年始にはおせちも作りましたゾ!

我ながらよくがんばった!

ジョンの両親が今朝帰って行ったので、今少しくつろいでいるところです。

ノッコの記事が中途半端なままになっているのが気になっているので、また少しずつですが書いていこうと思っています。

ということで、私の2017年の抱負は「以前のようにもう少し頻繁に記事の更新をする」です。(そして3kg痩せる)

それでは、みなさまにとって2017年もよい年でありますように、ご多幸をお祈り申し上げます。

今年もよろしくお願い申し上げます。

さわこ


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さわこ

Author:さわこ
在米のさわこです。売春、ドラッグ、破談などの障害を越えてようやく家へきたノッコと風太の養子縁組のお話を綴っていきます。

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