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風太は銀行家?

* これは2年前のお話です。


風太が生まれてからずっと「風太に会いたい!」と言い続けていたトム(ジョンの弟)と奥さんのダナ。

その年のサンクスギビングは、例年のようにダナの両親と過ごさずに、私達のところへ遊びにきてくれた。

ノッコが生まれた年にも、ノッコに会うためにわざわざ飛行機で来てくれた二人。

そんなに子供達のことを大切に思ってくれているのかと思うと、いつも感謝の気持ちでいっぱいになる。

二人と一緒にターキーを焼いたり、友人を加えてディナーを楽しんだり、久しぶりに彼らとの時間を満喫した私達。

二人もノッコとたくさん遊んだり、風太をたくさん抱っこしたりして、子供達との時間を楽しんでくれたようだった。

そうして3泊4日の滞在があっと言う間に終わってしまい、二人が帰る時になって、

「なんとなく風太は銀行家になりそうだね。顔がそんな感じ。これで風太のクリスマスのプレゼントは決まったわ。」

と言った。

どうして彼らがその時「銀行家」と言ったのか、私にはなんとなく分かっていた。

風太の髪の毛はそんなにフサフサしている訳ではないのに、なぜか「自然の7:3」ができていたから。

その上、前髪のところにちょっとだけウェーブができていて、少しキザっぽかった。

保育園に初めて風太を連れて行った時も、「風太君はもう美容院に行って髪をセットしてきたのね。」とからかわれる程だった。

ダナ達が「銀行家」と言った時は、私もただ「ハハハ」と笑っただけだったけれど、彼らがクリスマスに送って来てくれたプレゼントを開けてみて大笑いをしてしまった。

彼らが送ってくれたプレゼントは、、、、







Fuuta the banker
このスーツ!

(これならどんな取引先との商談もうまくいきそうですよね)

                           ◇

以前の記事にも書いたように、ダナとトムには今年の春に念願の赤ちゃんが産まれました。(しかも双子!)

双子ちゃんが生まれた時から「会いたーい!」と叫び続けていた私。

実はいよいよその念願が叶って、双子ちゃんと会えることになりました。

明日から子供達を連れてダナ達の住んでいる州まで遊びに行って来ます。

飛行機で行くお金がなかったので、無謀にも車でです。(片道だけで3日間かかる)

子供達を連れてこんなに長いロードトリップは初めてなので不安も多いですが、きっと楽しい旅行になると思います。

ですので、次にいつ記事の更新ができるのか分かりませんが、時間をみつけてはちょこちょこアップしていこうと思っています。

ダナ達から送られて来た、生まれた頃の双子ちゃんの写真をここに載せておきます。

Twins 2


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夜の侵入者

*これは2年前のお話です。

それは別に普段と少しも変わらない夜だった。

晩ご飯を食べて、

ノッコと少し遊んで、

風太をお風呂に入れて、

それからノッコもお風呂に入れて、

風太を寝かしつけて、

ノッコに絵本を読む。

ここまでは、いつもと全く同じスケジュール。

普段ジョンと私は子供達をお風呂に入れた後、「今日は私が風太ね」とか「明日はジョンがノッコね」と、交互にノッコと風太の寝かしつけをしていた。

その晩はジョンが風太を寝かしつける番だったので、私はノッコに本を読んであげていた。

しばらくすると、先に風太を寝かせたジョンが一階に下りて行く音がした。

そして私がノッコに2冊目の本を読んでいると、一階から「ガタン」という音がして、その後ジョンの「Wow!」と言う声が聞こえた。

「ジョンどうしたのー?」

ノッコの部屋(二階)から叫んでみたけれど返事がない。

(何でもないのかな)と思ってそのまま本を読み続けていると、ジョンが二階に上がって来くる音がした。

私達のところに何か言いに来るのかなと思って待っていたのに、ジョンは私達の所へは来ず、そのかわりベッドルームのドアを順番に一つずつ「パタン」と閉め始めた。

それから私達のいる部屋のドアも閉めようとしたので、

「どうしたの、ジョン?何かあったの?」

と訊いてみた。

けれどジョンは、ただならぬ気配を漂わせながら、

「うん、あとで話す。」

とだけ言ってそのまま下へおりていってしまった。

ジョンの様子があまりに変だったので、私も気味が悪くなって心臓がドキドキしてきた。

ノッコも

「なあに、ママ?何かあったの?」と不安そうな顔をしている。

あんまりノッコを不安がらせてはいけないと思ったので、私も

「大丈夫よ、心配しなくて。ほら、この猫ちゃん帽子がみつかるのかな?」

そう言って本の続きを読みはじめた。

そのうちウトウトしてきたノッコをベッドに移して、おやすみのキスをしてから急いで下におりて行った。

「なあに、ジョン? 何があったの? 様子が変だからずっとドキドキしちゃったよ。」

「ごめん、ごめん、インターネットをしていたらいきなり変なものが入って来たんだよ。」

「変なもの?」

「うん、コウモリ」

「コウモリ?」

「どうやら、暖炉の煙突から入って来たらしい。黒いものが天井のところをパタパタ飛んでいるからビックリしたよ。でもドアを開けたらそこから出て行ったみたいだから大丈夫だよ。でも一応ベッドルームのドアを閉めておいた方がいいかなと思って。」

「そうだったんだ。私がその場にいたら悲鳴あげてたよ。」

そう言って笑いながら私は二階にあるトイレに行った。

歯を磨いて、顔を洗い、パジャマに着替えようとトイレから出て来ると、

いきなり目の前に「キキキーッ」と言いながら黒いものが飛んできた!!!!

「きゃーーーーーーーーーーーーぁーーーー!」

とものすごい悲鳴をあげて、急いでトイレのドアを「バタン!」と閉めた。

そしてその中でうずくまった。

(ハア、ハア、ハア)

あんまり驚いたので息もできない。

あれは何だったんだろう、と短い時間の中でグルグルと考えてみる。

黒い巨大な蝶々のようだった。

(コウモリだ!ジョンの言っていたコウモリが、まだ家の中にいたんだ!)

そう思った瞬間、トイレの外から

「きゃーーーーーーーーーーーーーぁーーーー!」

というノッコのすごい悲鳴が聞こえた。

(えっ、ノッコ?どうして?)

頭が混乱してすぐに考えがまとまらない。

(私の悲鳴で目を覚ましたノッコが部屋から出て来ちゃったんだ!そしてコウモリがノッコを、、、)

こりゃ大変!

慌ててトイレのドアを半分開けると、ホールの隅で恐怖におののいているノッコがいた。

そしてその上にはパタパタと例の黒いものが!

私は腹這いになってトイレから出ると、手を伸ばしてノッコの腕を「グイッ」とひっぱった。

そしてそのまま引きづるようにしてノッコをトイレの中に引き入れ、またドアを「バタン」と閉めた。

ノッコを抱きしめると、彼女はガタガタと小さく震えていた。

泣いてばかりいて言葉もでない。

「怖かったね、ノッコちゃん。でももう大丈夫。ここにいれば安心だからね。もう泣き止もうね。」

そういってノッコをなだめていると、

「Are you OK?」

と言ってジョンが二階に上って来る音がした。

「ジョン、コウモリ! コウモリが家の中にまだいるの!ホールにいるから気をつけて!」

私がそう言い終わらないうちに

「うわーっ!!!!!!」というジョンの声が聞こえて、そのまま階段を下りる音がした。

私はジョンのことが心配だったけれど、今はノッコを守ることを優先にしなくてはいけないと思い、トイレからでないようにした。

一階で何やら「ガチャン、ゴトン」とすごい音がしてから、

「シーン」と全ての音が静まった。

(どうやらコウモリは出て行ったらしい)

そう思って、「ノッコちゃん、ママと一緒にここを出てノッコちゃんのお部屋に行くからね。しっかりつかまっててね。いい?」

ノッコは小さく頷いた。

そうしてノッコの手を握ったままトイレからそーっと出て、急いでノッコの部屋まで走って行った。

「ママ、怖いよー」と泣き続けるノッコを一生懸命なだめて、背中をトントンと叩きながら子守唄を歌った。

しばらくそうしているとノッコはまたウトウトとしだして、いつのまにか眠ってしまった。

私はそれから急いで下に下りていった。

するとそこには、汗だくになったジョンと、折れたほうきが一本あった。

「He is dead.」

私を見てジョンがそう言った。

「一生懸命外に逃がそうとしたけれど、どうしてもこっちに向かって来ちゃうから仕方がなかったんだ。可哀想な事しちゃったけど。」

「それで “それ “ はどこにいるの?」

「もう外のゴミ箱に入れた。」

それを聞いて私はようやくホッとした。ジョンのように「可哀想」なんて思っている余裕は全然なかった。

「あー、ビックリした。でもなんでうちなんかに入って来ちゃったんだろうね。」

「うん、きっと暖炉の煙突に穴が空いてるんだと思う。ノッコは大丈夫?」

「うん、私の悲鳴で起きちゃったみたい。立ちすくんでるノッコのすぐ上をコウモリが飛んでたんだよ。あれ、相当怖かったと思う。」

「トラウマにならないといいけどな。」

そして何だかとっても疲れてしまった私達は、いつもよりずっと早くにベッドに入った。

                          ◇

それから数日して私達はノッコのハロウィーンのコスチュームを買いに行った。

3才の女の子は、ほとんど例外なく「プリンセス」になりたがる。

ノッコも、もちろんシンデレラになるつもりでそのコスチュームを探していたんだけれど、突然気が変わったようで、





Bat Nokko
コウモリになりました!


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どうしてそういうことするかなぁ (ノッコ編)

* これは2年前のお話です。


ある日、朝ご飯を食べ終わったノッコが窓の外を見ながら、何やら鼻くそをほじっているようだった。

鼻に小さな指を突っ込んでは「ほじほじ」。

「ノッコちゃん、鼻くそほじるの止めようね。お行儀よくないよ。」

私がそう言うのも無視して、「ほじほじ」を続けるノッコ。

そしてあろうことか、そのほじった「ブツ」を口の中に運び始めた。

ほじほじほじ、パクっ。

「ノッコちゃん! 鼻くそ食べないの! 汚いよ!」

私が声を大きくすると、ノッコはこっちを向いて

「鼻くそじゃないもん。」

と言った。

「じゃあ、何なの?」

「ベーグル。」

「えっ?」

「ベーグル食べてるんだもん。」

ビックリしてノッコの鼻の穴をのぞいてみると、確かにぎゅーぎゅーに詰まったベーグルがみえた。

朝ご飯の残りを鼻の中に突っ込んだらしい。

ねえ、

ノッコさぁ、

どうしたらそういう事しようと思えるのかなぁ?

ママにはぜっんぜん分からないんだけど。



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養子をもらうことは偉いのか

*これは2年前のお話です。

養子を迎えたカップルのブログを読んだり、周りの縁組親子たちとお話する時、よく聞くセリフに、

「養子を迎えたことを人から “偉いねー” と言われて困っちゃった」というのがある。

そういうカップルのほとんどは、別に自分たちはチャリティーのような気持ちで子供を迎えた訳ではなく、ただ純粋に子供が欲しかったからと考えているのだと思う。

そして私もジョンも全くそれと同じ気持ちでいる。

哀れな子供を救った、などという気持ちは微塵もなく、夢にみていた子供のいる生活が送れるようになってよかったと、本当にそれだけを思う。

自分たちがこうなので、周りの養親さん達の話を聞いてもやっぱり「偉いなー」などという発想はあまり出て来ない。

でも私の周りで一人だけ例外がいる。

それはノッコの保育園の先生。

名前はリア。

                          ◇


風太が3ヶ月になった時、ノッコの時もそうしたように保育園に預け始めた。

すごくラッキーなことに担当の先生は、以前ノッコを担当してくれたモリー。

モリーとは個人的なことでも繋がりがあったし、お互いがお互いのことをよくわかっていたのですごく楽だった。

ただデレックのことがあったので、風太を迎えた私達をみて彼女がどんな気持ちになるかな、などと考えるとやはり気兼ねのようなものはあった。

でもモリーは私達の縁組みをとても喜んでくれたし、ノッコの時と同じように風太をとてもかわいがってくれた。

モリーと最初の面談をした時にもちろん風太の出生の事情や、健康上の問題なども話した。

するとモリーは、

「ああ、今ノッコの担当をしているリア先生の子供と状況が似ているわね。」と言った。

「えっ、リア先生のお子さんもドラッグの影響があるんですか?」

リア先生がノッコの担任になってからもう半年近くが過ぎようとしていたけれど、私はそんなこと少しも知らなかった。

「そうよ。2−3才の組にいるリンデンという男の子を知らない?あの子はリア先生の息子さんなのよ。」

「ああ、そうなんですか。」

リア先生も養子を迎えていたなんて全然知らなかったので、その話を聞いた時はとても驚いてしまった。

その日の夕方ノッコを迎えにいくと、リア先生が寄って来て、

「ノッコちゃんに弟ができたんですってね。」と話しかけて来た。

私もちょうどその話をしたいなと思っていたので、

「そうなんです。風太っていうんですよ。リア先生もお子さんが2−3才の組にいらっしゃるんですってね。全然知りませんでした。」

私は風太のようにドラッグの影響を受けて生まれた赤ちゃんがどんな風に成長するのかすごく興味があったので、もうすぐ3才になるリンデン君の様子を是非聞いてみたかった。

でもあまりに不躾すぎてなかなか言い出せない。

向こうも風太の出生の事情は知っているはずなのに、なかなかその話題には触れて来ない。

なので私の方から思いっきって

「風太は生まれた時にちょっと健康上の問題があってしばらく入院してたんですよ。」と言ってみた。

「ああ、他の先生から少し聞いてます。実はうちの息子も生まれた時にドラッグの影響があったんですよ。ずっと入院していたのも同じです。」

「ああ、そうなんですか。産みのお母さんとは連絡をとられてますか?」

「ええ、まあ」

そう言いながら、リア先生は少しとまどった様子を見せた。

そしてしばらくしてから、

「実は、彼の産みの母親は私の姉なんです。」と言った。

「えっ、お姉さん?」

「ええ、ドラッグ中毒の上に妊娠してしまって。でもその赤ちゃんをとても育てられる状態でなかったので私が引き取って育ててるんです。」とリア先生は打ち明けてくれた。

ご両親もあまり安定した生活をしている人達ではないので、彼らに引き取ってもらうこともできず、今ではその子の親権もリア先生が持っているという。

そんな複雑な家庭環境の中で、なぜリア先生だけがまともに育ったのか。

彼女はしっかりしていて子供好きで、生徒からもお母さん達からもとても好かれていた。

そんなリア先生はまだ20代後半の独身。

自分の恋愛やプライベートなこともあるだろうに、今は自分の生活の全てをリンデン君のために費やしていた。

それはある意味、私達のような養親とは違ったcommitment だと思った。

私達は安定した結婚生活を送り、子供を迎える環境も整えてから養子を受け入れたけれど、リア先生の場合はそんな環境など整えている時間もないうちにいきなりドラッグに病まれた赤ちゃんを育てる事になってしまった。

自分の結婚はどうするのだろう?

自分の赤ちゃんは?

もちろんそんな立ち入ったことは聞けなかったけれど、でも彼女だってきっと考えているに違いないと思った。

私が20代の頃だったら、そんな事できたかな?

いや、

絶対に無理だったと思う。

キャリア、恋愛、結婚、出産。

犠牲にするものが多過ぎる気がして。

アメリカではシングルマザーの再婚はよくあることだけれど、日本だったら20代でドラッグ病みの子供がいたら、きっといろいろ不利になる事が多いような気がする。

だからそんな大きな責任を一人で抱え、それでも何気ない顔をして毎日をやりすごしているリア先生をやはり私は尊敬してしまう。

次の年にリンデン君は偶然ノッコと同じ部屋に入って来た。(そのためリア先生は別の部屋に移ってしまった。)

なぜかリンデン君はノッコにすっかり懐いてしまい、ノッコの後ばかりを追うようになった。

朝ノッコが教室に入ると一番に走って来て抱きついてくるリンデン君のかわいさと言ったら、もう。

その姿が風太が大きくなった時と重なってしまい、目を細めてばかりの私だった。

風太のことがあってから急に前より親しくなったリア先生。

リンデンくんが生まれた時も風太とほぼ同じような症状があった事、今ではすっかり元気になって発達上の問題はみられないことなども話してくれた。

それにバレンタインデーの日にリンデンくんがノッコ用にカードを買ったこともこっそり教えてくれた。

でもノッコの好きな飛行機のじゃなくてボートのを買ってしまったので、ノッコが喜んでくれるか心配していると言っていた。

(かわいい、、、)

リンデン君は心のやさしい、本当にいい子に育っている。

それはきっとリア先生からの溢れる愛情があるから。

時々早く仕事を終えてリンデン君の手を取りながら保育園を出て行くリア先生の後ろ姿を見ると、

「聖母様のようだな」

と思ってしまったりする。

養子縁組はチャリティーではない。

でも彼女が犠牲にしていることの大きさを考えると、リア先生のしていることはやっぱり「すばらしいなー」と思わずにはいられなかった。


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ノッコをギューッと抱きしめたくなる時

* これは2012年の11月頃のお話です。例の中国人の家族が出て来るので、前回の記事と出来事の順番が分かりにくいですが、息子君が家に来なくなったのは2013年の6月頃ですので、その半年ぐらい前の出来事です。


ある日、例の中国人の夫婦とその息子さんをブランチに招待した。

朝の10半頃にいつものように「ピンポーン」とベルを鳴らしてやってきた彼ら。

息子君はお目当ての風太が午前の昼寝中だと分かると、そのままソファーに座ってゲームを始めた。

彼はノッコとは絶対に遊ばなかった。

私は食事の準備に追われていたし、ジョンは買い忘れたチーズを買いに行っていたので、中国人の旦那さんと奥さんがノッコの相手をしてくれた。

私がキッチンにいると、

「キャー!」

とノッコがうれしそうに走って来た。

どうやら旦那さんと鬼ごっこをやっているらしい。

「ガオー、食べちゃうぞー」とノッコの後を追い回す旦那さん。

おもしろい。

ノッコが家の反対側に走って行くと、今度は奥さんが

「ガオー」とノッコを捕まえようとした。

「キャー!」

悲鳴を上げるけれど、すごく楽しそうなノッコ。

ノッコはこういう追いかけっこのような身体を使う遊びが大好きだった。

その時、

「ウエーン」と風太の泣き声がモニターから聞こえた。

(あっ、起きた。)

そう思って二階へ行き、オムツを替えてから風太を抱っこして一階に下りて来た。

すると風太が下りて来たのを見た旦那さんと奥さんは、追いかけっこを「ピタッ」とやめ、風太の声を聞きつけた息子さんもソファーから身体を起こして、三人で「風太くん、起きたのねー」と風太の周りに集まって来た。

その寸前まで全速力で走っていたノッコも「ピタッ」と立ち止まり、振り返ってこっちをみた。

風太を抱く私。

その周りで風太をちやほやするご夫婦と息子君。

その情景をじーっとだまって見ていたノッコ。

その時の悲しそうな顔ったら、もう。

「ノッコちゃんもこっちへおいで」

私がそう言うと、ノッコはカーテンの後ろに隠れてしまった。

それから「ダダダッ」と階段を上って2階に上がっていった。

私はノッコの様子が気になったので、風太を奥さんに預けて自分も2階に上がった。

ノッコの部屋をチェックしたけれど、そこにはいない。

(じゃあ、私達の部屋かな)

そう思って自分たちのベッドルームを覗くと、ノッコはベッドの上でうつぶせになっていた。

「どうした、ノッコちゃん?」

ノッコは返事をしなかった。

私がノッコの肩に触れようとすると、それを思いっきり振り払った。

「どうしたの、何か悲しいの?」

何が悲しいのかよくわかっていたけれど、なんとなくノッコのプライドを傷つけるようで自分からは言い出せなかった。

「Nothing.」

そう言ってノッコは窓の方を見た。

その横顔から、泣くのを一生懸命がまんしているのが分かった。

風太が入院している時も、退院してからも本当にいろんな事を我慢してきたノッコ。

ママもパパも風太につきっきりで、周りの人も、道ですれ違う人も、みんな「風太、風太」って風太のことばっかり。

いつもは風太にべったりの中国人夫婦が、今日は珍しくノッコと遊んでくれてすごくうれしかったんだよね。

なのに風太が起きてきた途端、、、、

そんなノッコの気持ちが手に取るようにわかったし、一生懸命泣くのをがまんしているその姿がいじらしくて、私はノッコをギューッと抱きしめた。

「ねえ、ノッコちゃん、」

「ノッコちゃんは風太が好き?」

「好き。」

「ママも好き。でもノッコちゃんのこともすごく好きだよ。」

「…………….。」

「ママとパパは、ノッコちゃんがいいお姉ちゃんになってくれてとてもうれしいんだよ。」

「……………………..。」

「風太はまだ言葉が話せないけれど、風太もきっとすごくうれしいと思うよ。」

「風太がしゃべれるようになったら、僕のお姉ちゃんは世界で一番素敵なお姉ちゃんだゾって友達みんなに言って回るかもよ。」

「そしたらノッコはどうする?」

私がそう訊くとノッコは、

「ねえママ?」と頭を上げた。

「なあに?」

「ランチはなあに?」

あらっ、ガクッ。

「I love 風太 too!」とか何とか返してくれるのかと思ったら、そうきたのね。

「今日はブランチだからワッフルだよ。オムレツやポテトもあるよ。」

「イエーイ! ノッコ、ワッフル大好き! シュガーパウダーもかけていい?」

「いいよー!」

「じゃあ、みんな待ってるから下に行こうか」

そう言って私達が下におりると、奥さんが寄って来て

「ノッコちゃん、大丈夫?」と訊いて来た。

「うん、大丈夫。でもみんなが風太をちやほやするからちょっと羨ましかったみたい。」

小さな声でそう言うと、

「ああ、やっぱり。そうじゃないかと思ってた。」

と奥さんも頷いて、それからは今まで以上にノッコに気を遣ってくれるようになった。

今までは「我が家のプリンセス」で、世界は自分中心に回っていると信じていたノッコ。

そんなノッコが風太のいる新しい環境の中で一生懸命自分の居場所を探そうとしている。

もう周りの人は自分だけを見てくれる訳じゃないんだということに気付き、その現実を自分なりに受け入れようとしている。

そんな彼女の姿が私には健気でたまらなかった。

ねえ、ノッコちゃん、

お姉ちゃんになるって楽じゃないね。

我慢しなくちゃいけない事がたくさんあって、

ちょっと悲しくなっちゃうことも時々あるね。

でもそうやって少しずつ大きくなっていくことはすばらしい事なんだよ。

ママはいつもノッコちゃんにガミガミうるさいけれど、

ノッコちゃんが一生懸命がんばっていること、ちゃんと知っているよ。

そしてママはそんなノッコちゃんが大好き。

本当だよ。



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ノッコをかわいいと思えない時



実は今回この記事を載せようかどうしようか、かなり悩みました。
だって思いっきり「母親失格」のヒンシュクまちがいなしの内容ですから。

でも以前から言っているように、このブログでは自分の経験したこと、感じたこと、考えたことなどをできるだけ隠さずそのまま書く事にしているので、その頃私が感じていたことをやはり皆さんとシェアーすることにしました。

もしも不快に感じる方がいらっしゃったら、予めお詫び申し上げます。

                                ◇

風太を我が家に迎えてから、ノッコに少しずつ変化が表れたのは何となく気がついていた。

風太が退院してからの数週間は、朝起きれば「風太は?」、保育園から帰ると「風太は?」と、風太が家に来たことが嬉しくて仕方ない様子だった。

まるで子犬をかわいがるように、風太のそばに座りこんでは頭を撫でたり話しかけたりして、とてもいいお姉ちゃんだった。

でもだんだん「風太が来た」という新鮮さがなくなり、彼のいる生活が日常の色に染まっていった頃、ノッコは以前にも増してわがままで怒りっぽくなってきた。

ノッコという女の子は、

よく言えば「活発」で「冒険家」、そして「意志の強い」子供だった。

けれどそれらの性質は、悪く言えば「気性が激しい」、「落ち着きがない」、そしてただの「頑固」とも言えた。

英語に “Drama Queen” という言葉があるけれど、その言葉はノッコのために作られたに違いないと私はいつも思っていた。

ノッコは、道で転んでちょっとでもすり傷をつくると「うわーん!」、

おもちゃで思ったように遊べなかったりすると「うわーん!」、

ハエが顔の前を通っただけでも「うわーん」。(声がでかいんだ、これがまた)

「そんな事でいちいち泣くな!」と怒鳴りたくなる程、小さなことで一々泣きわめく子供だった。

風太が来てから、その「Drama Queen度」が更にひどくなった感じで、ノッコは常に何かに対して文句を言ったり、泣いたりしていた。

二人目の子供ができた時、上の子供がこういう赤ちゃん返りのような反応をするのはよくあることだと聞いていたし、そういう時こそ母親はやさしくそれを受け入れてあげないといけないと本にも書いてあった。

でもその頃の私には、ノッコをそっくりそのまま包んであげる余裕など微塵もなかった。

新しく始まった仕事のストレス、風太の世話、そして慢性の寝不足。

そんな生活の中で私が一番「ダメだぁ」と感じてしまったことは(←ここが一番ヒンシュクかも)、ノッコがペラペラとしゃべることだった。

3才の女の子がペラペラしゃべるのは当たり前。

でもその頃の私にはその「しゃべれる」ということがどうしても耐えられなかった。

自我が芽生える前の赤ちゃんは、存在そのものが本当に「helpless」で、言葉で自分の意志を伝えられない分、顔の表情やしぐさ、泣き声などで一生懸命コミュニケーションをとろうとする。

その姿がなんとも健気で、彼が出すサインの一つ一つを逃さないようにしっかり受け止めてあげようと思ってしまう。

無垢で、何ひとつ望むことなくただそこに横たわっている風太。

それに比べて、どんな状況においても「Me!」「Me!」「Me!」と自分のことばかり優先しようとするノッコ。

その二人の間では、どうしても「何もできない」風太の世話を優先してしまうのが現状だった。

でも今まで私とジョンの愛情を独り占めしてきたノッコは、だんだん「ちょっと待ってて」と後回しにされることに対してフラストレーションを示すようになってきた。

「ママおしっこー」「ママ、スプーンで食べさせて!」「ママ、パジャマ着せて」と今まで自分一人で普通にできていたことを、一々私にやらせようとしたり、私やジョンにかまって欲しくて始終悪さをするようになったり。

そしてそんなノッコの態度に私はだんだんイライラするようになり、そのイライラはジョンが出張で不在の時にピークに達した。

ジョンの出張中、風太は中耳炎で数日熱を出していた。

ようやく具合もよくなり、いつもより早く目を覚ました風太。

その笑顔がかわいくて、抱っこしながら「よくなってよかったねぇ」などと話しかけたりしていた。

病院以来ずっと持てなかった風太と二人だけの静かな時間をゆっくり楽しもうと思った。

けれどそんな水入らずの時間が5分と経たないうちに、「パタパタパタ」と起き出してきたノッコの足音が聞こえた。

私達のベッドルームのドアを開けて、私が風太を膝に乗せているのを見ると、「タタタ」と無言で近寄って来て風太を押しのけようとした。

そしてそのまま私の膝の上に座ろうとするノッコに、

「ノッコちゃん、ママは今風太を膝に乗せてたんだよ。それを押しのけるようなことしちゃだめじゃない。」

そう言うと、

「ノッコがママの膝の上にのる!」と言い張って、さらに風太をグイグイ押そうとした。

「ノッコちゃん、やめて! そんなことしたら風太くん痛いよ!」

そう言っているのに、一向にやめようとしないノッコ。

仕方なく私はそのまま風太を抱っこして立ち上がった。

するとノッコは「ママー!」と言って、私の腕にぶらさがろうとした。

「いたたた、ノッコちゃん、危ないよ。そんなことしたら風太くん落っこちちゃうよ!」

そう怒鳴っているのに、更にグイグイ腕を引っ張るノッコ。

「重いよ、ノッコ、手を離して!」

そう言った時、私の頭の中でもう一つの声がささやいた。

(オモイヨ、ノッコ、オモイヨ)

そう、

私にとって

本当に重いのは、

ノッコの手ではなく、

ノッコの存在そのもの。

いつもいつも自分に纏わりついて離れないノッコの存在が重く、私はとにかくそれから解放されたくて仕方がなかった。

「ノッコちゃん、手を離して!」

その時私はノッコの手を無理やり引き離した。

するとノッコは今度、「ママー」と言って私の腰をつかんだ。

「なにがなんでも離すもんか!」と言わんばかりの力の入れように、私は思わずノッコを押しのけて、

「ノッコちゃん、聞いて。ママね、今どうしても一人になりたいの、いい?」

と訊いた。

「やだー!」

気が狂ったように泣き叫ぶノッコ。

「ねえ、ノッコちゃん、3分でいい。3分でいいからママを一人にして。」

「絶対やだー!」

このままママを離したらもう二度と会えなくなるとでも思っているように、ノッコは力を込めて私にしがみついてきた。

私はそんなノッコを無視しながら、風太をベビーベッドにのせて、そのままノッコを部屋に残して自分の仕事部屋に行こうとした。

そんな私にすがりついてくるノッコ。

「ママー、行っちゃやだー!」

そう言って顔をぐしゃぐしゃにしているノッコを無理やりドアの後ろに押しやって、私はそのままドアを「バタン」と閉めた。

「ウワーーーン!!」

何マイルにも届きそうなノッコの泣き声が聞こえたけれど、そのまま仕事部屋に入りそのドアもバタンと閉めた。

そして椅子に座って天井を見上げながら、ノッコの泣き声を聞いていた。

そのうち、風太の泣き声も聞こえて来た。

アア、

ワタシ ハ、

サイテーノ ハハオヤ。

でもその時の私にはその「3分」がどうしても、どうしても必要だった。

そうしないと気が狂ってしまいそうだったから。

風太が来てからノッコがずっと寂しい思いをしてきたのは知っていた。

私にかまってほしいのにそれをどう表現したらいいのか分からず、つい問題のある行動をしていたのも知っていた。

ただただ 「自分もママに愛されている」という確認をしただけだったことも。

頭ではよくわかっていたのに、その時の私にはそんなノッコを受け入れてあげられる余裕がなかった。

自分と風太の世話で毎日精一杯だった。

ごめんね、ノッコ。

15分ぐらいして、自分も「これでもか」というくらい泣いてから、深呼吸をして仕事部屋を出た。

そしてノッコと風太のいるベッドルームに入ると、ノッコはベッドの上で本を読んでいた。

さっきの発狂したような状態とは別人のようなノッコだった。

私は、ノッコを抱きしめながら、

「ノッコちゃん、さっきはママ、ノッコちゃんを突き放したりしてごめんね。」

私がそう言うと、ノッコは私の顔も見ずに、

「That’s OK.」と言った。

とても冷たい「別にいいよ」だった。

「でもね、ママもブレイクが必要な時があるの。ノッコが時々 “Quiet Time” をとるみたいに、ママにも静かな時間が必要なんだ。わかってくれるかな?」

「………………….」

ノッコはそれには返事をしなかった。

「でもそれはノッコちゃんが嫌いだからじゃないんだよ。ママはノッコちゃんや風太が大好きなの。でもね、時々一人で考える時間が必要なんだ。今度ママ、もしもブレイクが必要な時はちゃんとノッコちゃんに話して、本やビデオを渡してからにするようにするからね。本当にごめんね。」

「………………….」

「じゃあ、朝ご飯はパンケーキにしようか。ママ、ブルーベリーのパンケーキ作るよ。」

「パンケーキ?」

「うん」

「イエーイ! ノッコ、メープルシロップたくさんね。」

「いいよー!」

そうして私は風太も抱きかかえてノッコと一緒に一階に下りて行った。

                            ◇

あの朝の一場面は今も自分にとってはトラウマのように目に焼き付いている。

あの時必死ですがりついてきたノッコの悲痛な顔を思い出すと、今でも必ず泣いてしまう。

(なぜ、あんなひどい事をしてしまったんだろう?)

何度も何度も自分に問いかけてみるけれど、納得のできる答えなんてみつからない。

あんなに待ち望んで、ようやくうちに来てくれた大切なノッコ。

「そこにいてくれるだけで幸せ」

そう思えた頃もあったのに、なぜ「重い」などと感じてしまったんだろう。

将来大きくなった時、ノッコはあの朝のことはきっと覚えていない。

でも「ママに拒否された」という感覚のようなものはきっと覚えていると思う。

そしてその感覚は時々思い出したように蘇ってきてはチクチクとノッコの心を傷つけるだろう。

だから私はこれから全力をかけてその償いをしていかなければならない。



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理想の息子かぁ (5)

* これは昨日の記事の続きで、1−2年前のお話です。


近所のご夫婦の息子さんの行動について、彼のお母さんと話をしようと決心した私。

ちょうどその日の夜、息子君のお母さんからちょっとした用件で電話がかかってきた。

その用件を聞いたあと、

「あのね、ちょっと聞いて欲しいことがあるんだけど、、」と私は切り出した。

「なあに?」

「あのね、息子さんのことなんだけどね。」

「………………」

急にお母さんの態度が緊張したのが電話口から伝わって来た。

「ほら、息子さん、すごく風太のことが好きでしょう?」

「そうね。」

「それはすごくうれしい事なんだけど、でもね、その、、、風太の扱い方がね、、時々ちょっと、、、」

そこまで言うと、お母さんは私の言葉をさえぎるように、

「ああ、わかってる、わかってる。さわこの言いたい事はよくわかってるわよ。家でもさんざん言ってるのよ、風太くんにちょっかい出しちゃいけないって。でもあのバカ息子、どうしてもかわいくて仕方がないみたいで。ごめんなさいね。これからしっかり言っておくから、大丈夫よ。」

彼女は早口で一気にそう言った。

それを聞いて「すーっと」と気持ちが楽になった私は、

「分かってもらえてよかった。でもうちに来るのはいつでも歓迎だから、それは誤解しないでね。」

「ありがとう。」

そう言って私達は電話を切った。

お母さんは私の言いたい事を分かってくれたようだったけれど、そのあと彼女と息子君がどんな反応をするのかが心配で、私はその夜はなかなか眠れなかった。

そしてそれから二日ぐらいしてから、「ピンポーン」と野菜をもってお母さんが訪ねてきた。

でもその後ろに息子君の姿はなかった。

どうして息子君が来なかったのかお母さんも説明しなかったし、私もあえて訊かなかった。

そしてその次の日も、次の週も、次の月も、息子君はうちに遊びに来なかった。

同時にお母さんがうちに来る頻度もぐっと減ってしまった。

お母さんが息子君に「もう行くな」と言ったのか、息子君が自分で「もう行かない」と言ったのか分からない。

でもとりあえず問題は解決した。

息子君が来なくなったことで風太への「いじり」もなくなり、私のストレスレベルもぐっと低くなった。

だから「よかった、よかった」の結果なのだけれど、

けれど、、、

なんとなく後味の悪さを振り切れない私。

きっと息子君の気持ちをとても傷つけてしまったから。

そしてあんなに大好きだった風太と息子君を引き離してしまったから。

大人になりきれないピーターパンのようだった息子君。

中学生の頃、初めてガールフレンドができた時、ご両親は勉強の妨げになるからと言って話し合いのあと別れさせたと言っていた。

大学の申し込みをした時も、息子君はピアノを専攻したかったのに、ご両親が将来の就職のためといって物理を専攻することを勧めたらしい。

そうやっていつも大好きなものから遠ざけられてきたのかな。

だから人との関わり方が上手にできないのかな。

そう考えると彼の芸術は、その抑えられた欲望のはけ口だったのかもしれないと思った。

                               ◇

その夫婦がアメリカ滞在を終え中国に帰る数日前に、彼らは息子君を連れてさよならの挨拶に来た。(息子君はそのままあと一年大学に残るんだけれどね。)

「ご飯でも一緒に」

そう何度も誘ってみたけれど、

「帰国の準備があるから」と言って彼らは30分も座っていなかった。

その間、息子君は一度も風太にちょっかいを出さなかった。

ただ大きくなった風太の写真を何枚か撮って、そのあとはずっとゲームをしていた。

そんな息子くんを見ながら、私は彼の人と違うところを「個性」として見てあげられなかったことを申し訳なく思った。

(今まであなたを煙たがったりして、ごめんね)

そう心の中でつぶやいた。

私が彼を風太から遠ざけたのは、風太を守るため。

彼の両親がデートを禁じたり、彼に物理を専攻させたのも、息子君のためを思ってのこと。

親の子供を思う気持ちには色々な形がある。

私はこれからもきっと、こうやって自分の子供達を守るために周りの人や子供達自身を傷つけてしまうことがあるのだろう。

でも息子君をみていて、その「守る」ということは「理想の子供にしたてる」というのとは違うのだと思った。

自由奔放に振る舞いながら、本当はあまり自由でなかった息子君。

こんな風に息子君を煙たがり、傷つけてしまった私が言うのは矛盾しているけれど、でも息子君には「理想の息子」という殻を抜け出して、自分の好きなように生きていって欲しいなと願う気持ちが、私の中に存在していたのも事実だった。


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理想の息子かぁ (4)

*これは昨日の記事の続きで、1−2年前のお話です。


近所に住む中国人夫婦の息子さんの行動に少しずつストレスをためていった私。

でも(どうにかしなきゃ)と思いながら実際どうしたらいいのか、なかなか決断することができなかった。

だって皆さんならどうしますか?

「息子さんをもう連れて来ないで欲しい」と言う?

それともそのご夫婦ともども交際をやめる?

私が悩んでしまった理由の一つは、その家族がほんとに我が家の近くに住んでいたということ。

子供達を連れて散歩に行ったりすると、ベランダで夕涼みをしているご夫婦と必ず顔を合わせるような感じだった。

だから「出かける」とか「人が来る」などの嘘を付いて、うちに来ないようにする事はあまりできなかった。

そして二つ目の理由は、その旦那さんとジョンの職場が同じだったこと。

もしもそのご家族との関係がギクシャクしてしまうと、ジョンと旦那さんが職場で気まずい思いをしてしまう。

そのせいもあってか、ジョンは「息子君は一年に3−4回しか来ないんだから、うちに来た時に本人に注意していけばいいんじゃないか。」というスタンスだった。

そして私がその家族とのお付き合いを切りたくない三つ目の理由は、そのご夫婦が好きだったこと。

旦那さんは本当におっとりとしたいい方だったし、奥さんもちょっと押しの強いところはあるけれど、気さくで明るく楽しい人だった。

奥さんとは一緒に中華料理を作ったり、日本料理を教えてあげたりして楽しい時間をたくさん過ごしたし、ジョンが出張中の時なんかは、まるでナニーのように子供達の世話や家事まで手伝ってくれた。

「心を割って話せる友達」というのとはやっぱり違ったけれど、それでも本当に「気の合うご近所さん」という感じだった。

なので息子さんの行動のせいで、あのご夫婦との関係まで切らなくちゃならないのはやっぱり残念に思えて仕方がなかった。

そんなこんなで結局何の行動も起こさないまま、数ヶ月が過ぎてしまった。

そして日差しが温かくなってきた初夏のころ。

息子さんは大学が夏休みに入ったので大学の寮を出てご両親のところへ引っ越してきた。

これから3ヶ月ぐらいそこに住むという。

そして予想していた通り、夏休みの間彼は頻繁にうちに遊びにきた。

風太への「いじり」も、ハイハイする風太の上に乗っかったりと、以前よりも更に乱暴なものになっていった。

その頃ジョンは長期の出張のため不在で相談できる人もいなかったし、私は一人でいろいろ考えながらこれがあと三ヶ月も続くのかと思うと、胃がキリキリするほどストレスがたまっていった。

ある日ジョンのフェイスブックをチェックしている時にふと、「息子君のフェイスブックも見てみよう。」と思った。

彼のフェイスブックを見てみると、そこにはお友達と撮った写真や、成績優秀で大学から表彰されている写真、校内のホールでピアノのコンサートをしているビデオなどが載っていた。

すばらしいピアノ演奏だった。

それを見る限りでは、「友達の多い、才能あふれた大学生」という印象しか受けない。

風太の耳に指を突っ込んで泣かせているあの息子君とは別人みたいだった。

ご両親が「自慢の息子」と呼ぶのも本当に頷ける。

そして彼のフェイスブックには風太の写真もたくさん載っていた。

生まれて数ヶ月の頃のものから最近のものまで。

ジョンのフェイスブックに載せてあった風太のビデオまでダウンロードして自分のページに載せてあった

しかも知らない間に風太の似顔絵も書いていたらしく、それもそこにあった。

Fuuta drawing 2


そしてそれを見た時、私の中で何かがはじけた気がした。

そこにある風太の写真や似顔絵を見て、本来ならうれしいと思うべきなのに、私は少し怖くなってしまったのだ。

普通大学生の男の子と言ったら、勉強やバイトのこと、それから女の子のことで頭がいっぱいのはず。

それなのに息子君のフェイスブックは、彼の両親の近所の赤ちゃんの写真でいっぱい。

毎日風太のことを思い、時間が空いた時には風太の似顔絵を描いている息子君がなんだかとても普通でないように思えた。

だから息子君のフェイスブックを見たあと、(やっぱり彼のお母さんにはっきり言おう!)と心に決めたのだった。


(ごめんなさい! 次回で絶対に最後です。)


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理想の息子かぁ (3)

この記事を書く前にちょっとご説明を。

二日前から書いている中国人家族のお話ですが、私達とこの家族のお付き合いは彼らが中国に帰国するまでの2年間弱続きました。

その間に彼らの息子さんは、サンクスギビングやクリスマス、春休みと、大学が休みに入る度にご両親のところに帰って来て、そしてその度にうちにも遊びに来ていました。

なのでこれから書く事は実際は一年ぐらいの期間の中で起こった事なんですが、そのまま数ヶ月おきに記事にしていくとその間に起こった他の話と混ざって分かりにくくなるので、あえて数週間の間に起きたことのようにまとめて書く事にしました。

その点をご了承下さい。

                ◇


例の中国人家族を我が家に招待した次の日、私達が夕食後にくつろいでいるところへそのお母さんと息子さんは二人でやってきた。

彼女は「今日こんな野菜を買って来たから」と言ってバクチョイを持って来てくれたけど、彼らの目的が風太であることは誰の目にも明らかだった。

私達にすっかり慣れた息子さんは「ニイハオ」と挨拶をすると、まずキッチンに直行して冷凍庫からアイスキャンディーを取り出し、それを食べながらリビングルームへ移動した。

(こりゃ、彼は生まれてから今までアイスキャンディーなるものを食べた事がないんだな)

と私は思った。

そして息子君は風太のところへ行って、昨日と同じようにほっぺをつついたりして彼をいじりはじめた。

息子君のお母さんが、

「この子すっかり風太くんが気に入っちゃって。風太くんの話ばかりしてたのよ。」

とうれしそうに言った。

すると息子さんは昨日撮った風太の写真を私達にも見せてくれた。

「フェイスブックに載せたら、みんなかわいいって。」

そう言って、ジョンにもフェイスブックの友達になってくれと頼んでいた。

そのまましばらく雑談をした後、8時近くになったので、

「そろそろ子供達のお風呂の時間だ。」

と私は立ち上がった。

普通はここで、「じゃあ、そろそろおいとまを、、、」となるのだけれど、

この息子くんは

「じゃあ、僕も」と全く予想外の言葉を放った。

「いやいや、うちのお風呂は狭いから。」

そう断っても、どうしても彼は風太がお風呂に入るところを見たいと言う。

「ごめんなさいね。もうかわいくて仕方ないみたいだから。」

お母さんもなんだか「お願いモード」になったので、仕方なく二人をバスルームに通した。

私はいつものようにベビー用のお風呂を普通のタブに置き、風太をその中に入れて髪の毛を洗い始めた。

すると息子君は、そのタブからお湯をすくっては風太の顔にパシャ、パシャとかけはじめた。

「顔にお湯がかかると嫌がるから止めてね。」

私がそう言っているのに、なかなかやめない息子君。

「止めなさいって言われてるでしょ!」とお母さんに頭をパコーンと叩かれてようやく止めてくれた。

(てめぇは5歳児か?)

とその時私は心の中で突っ込みを入れていた。

この事があってから、私は失礼ながら(もしかしたら息子君には何かの障害があるのかな)と思ってしまった。

実はちょうどその頃私自身もノッコに何か障害があるのかなと疑い始めていたので、ちょっと普通の子と違う行動をする子供をみるとその可能性を最初に考える様になっていた。

でも私達に慣れてきた息子君は会話もちゃんとできるようになっていたし、私達の顔を見て話すし、「ちょっと変わっている」という以外は普通の大学生と同じようにみえた。

でも以前彼のお母さんが話してくれたことの一つに、ちょっと頭に残るものがあった。

それは息子君が一歳の頃、お母さん達は仕事のために8ヶ月ぐらい遠くに住んでいる両親(息子君の祖母)に彼を預けていたそうだ。

仕事の方が一段落して息子君を迎えに行った時、息子君はおじいちゃんとおばあちゃんにかなり懐いてしまい、自分のお母さんとお父さんが誰なのか忘れてしまっていたらしい。

息子君を引き取ってからまた自分たちに懐くようにするまでいろいろ大変だったと話していた。

もしかしたら彼の今の性格はそんなトラウマの影響もあるのかな、などと私は勝手に想像していた。

そんな調子でお母さんと息子君は次の日も夕飯の後うちに来た。

(こう毎日来られてもなぁ)とさすがに私も思い始めたので、「次の日は人が来るから」と嘘をついてしまった。

すると次の日はさすがに家には来ず、息子さんはそのまま大学の方に戻ってしまった。

けれどクリスマス休暇で家に帰ってきた息子君は、またお母さんと一緒に「ピンポーン」と家にやってくるようになった。

もうお座りもできるようになって動きも活発になった風太を見て、息子君はとても喜んでいるようだった。

そして風太が少したくましくなった分、息子君の「いじり」もひどくなっていった。

風太の両耳に指を突っ込んで耳を塞いだり、目の前に手をかざして見えなくしたり、顔に息を吹きかけたり、帽子を無理やり頭にぎゅーっとかぶせたり。

それを風太が泣くまで何度も続けた。

そうやって風太が嫌がって泣くのを面白がっているようだった。

それは根性の悪い「いじわる」というより、風太がかわいくて仕方がなく、でも赤ちゃんとどう関わったらいいのか分からなくてやっている感じだった。

例えば小学校の男の子が好きな女の子をわざといじめるように。

それでも風太がそういう行為を嫌がっているのは事実だったので、私も「そういう事すると風太が嫌がるからやめてね。」と何度も注意した。

でもいくら私が注意しても、お母さんが彼の頭を叩いても、彼はまたすぐ同じことをしてしまうのだった。

そして息子君の風太への「いじり」以外にも私の頭を悩ませていることがもう一つあった。

それは息子君のノッコへの態度だった。

息子君は風太を溺愛する分、ノッコのことがとても嫌いなようだった。

それは誰が見ても明らかだったので、もちろんノッコ本人も分かっていたはず。

でも3才のノッコは若いお兄ちゃんに遊んでもらいたくて、息子君に「遊んでー!」としがみつくことがあった。

すると息子君はいきなり「スクッ」と立ち上がったかと思うと、ゴリラのように両手を広げてノッコを見下ろし、「ガーッ」とすごい声を出したりした。

それは子供とのおふざけの遊びというものではなく、どう見てもノッコを怯えさせるためだけの「威嚇」だった。

それを見てビックリしたノッコは泣き出してしまい、息子君はまたお母さんに頭を叩かれるのだった。

その頃から私は(これはどうにかしなきゃなぁ)と真剣に思い始めた。




ああ、また長くなってしまったので、続きは明日書かせていただきます!


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理想の息子かぁ (2)

* これは昨日の記事の続きで2年前のお話です。


近所に越して来た中国人夫婦と息子さんがお夕飯を食べに来た。

「ニイハオ」

そう言ってご両親と一緒に入って来た息子さんは、少し照れたような笑いを浮かべていた。

「いらっしゃい。どうぞ入って」

私達は息子さんと握手をしてから三人を中に迎えた。

食事の用意に思ったより時間がかかってしまったので、準備ができるまでチップスなどを食べながらみんなで少し話をした。

高校の頃からアメリカの学校に通っている息子さんは英語もネイティブ並みのはずなのに、お母さんのためを思ってかずっと中国語で話していた。

そういうところがやっぱりやさしいな、なんて思っていた、、、のだが、、

だんだん話しているうちに、(なんか想像していたのとちょっと違うなぁ)という感が強くなってきた。

どう表現すればいいのか分からないのだけれど、一言で簡単に言ってしまえば、ちょっと「対人恐怖症」の気があるのかな、という感じだった。

別におどおどしている訳ではないのだけれど、居心地が悪そうで始終落ち着きがなく、しかも話す時は絶対に私達の顔をみなかった。

自分から何か質問してくるという事はなく、私達が話しかけてもいつも一言か二言の返事ですぐ会話が終わってしまった。(まあ普通の大学生はみんなこんな感じなのかな)

それでも言う事ははっきりと言うタイプで、その晩のメニューが「さばの味噌煮」だと分かると、

「寿司のほうがよかった。」と言ってみたり、

好きじゃない食べ物は、

「これ嫌いだから僕の前におかないで」と言って手もつけなかったり。

だんだん慣れてくると、家の中の物を勝手に見たり触ったりし出して、仕舞いには断りも無く冷蔵庫を開けて勝手にアイスキャンディーを食べ始めた!

(えっ、初めて来た家でそういうことするかな?)

聡明で繊細な感じの男の子を勝手に想像していた私は、その理想図とのギャップに少しとまどってしまった。

そしてもっと困った事は、

そんな息子さんがお母さんと同様、

風太に恋をしてしまったこと!

しかもモーレツな恋!

食事の時以外はお母さんが抱っこしている風太のそばを片時も離れず、ほっぺをつついてみたり、写真を撮ってみたり、常に風太をかまっていないと気が済まないような感じだった。

かわいくて仕方がないと思ってくれるのは嬉しいけれど、なんだか赤ちゃんの扱い方が少し乱暴で、母親としては「傷つけないかしら」と始終心配だった。

「抱っこしていい?」とも聞かずに勝手に風太をお母さんから奪い取り膝に乗せたときは(落っこちるんじゃないか)とヒヤヒヤしてしまった。

「兄弟がいないから、赤ちゃんがかわいくて仕方ないのよ。」

そんな呑気なことを言って、目を細めているお母さん。

(ちゃ、ちゃんと注意してよー!)

結局私が風太を抱いて、「ぴとっ」と寄って来る息子さんを肘で押えつけたりしていた。

そんな感じでなんだか落ち着かない時間だけが過ぎ、とうとう子供達が寝る時間になった。

「あら、もう子供達の寝る時間だわ」

私がそういうと、たいていのゲストは、

「ああ、もうそんな時間?じゃあそろそろおいとましますね。」と言って帰って行くのだけれど、

その息子さんは、

いっこうに帰ろうとしなかった!

風太の横に「ピタっ」と貼付いて全然離れようとしない。

仕方がないので私が風太を抱いて二階に上がるふりをして、彼のお母さんが「ほら、帰るわよ!」と怒鳴りつけてから息子さんはようやく重い腰を上げた。

「谢谢,再见!」

そう言って三人が出て行った後、

どっと疲れてしまった私。

そしてそんな私より

10倍も疲れていた風太。

(あんなにおもちゃみたいに常にいじられてたら疲れちゃうよね。)

そう思った通り、風太はミルクのボトルを全部飲み干す前に爆睡してしまった。

そして子供達が寝てから私は一人で考えてみた。

(理想の息子かぁ)

確かに頭はよさそうだし、お母さん思いのやさしい子だというのもよくわかった。

でも、

風太には、

理想の息子にならなくてもいいから、

もっとまともな子に育って欲しいと、

思ってしまった私だった。(息子さんのご両親、ごめんなさい!)

人の気持ちのわかる、コミュニケーションのしっかりとれる人間。

ピアノが弾けなくても、そういう事の方が自分にとってはどれくら大切なのかが改めて分かった出来事だった。

そして、、その後の私達はどうなったのか?

その後の数ヶ月、私は彼の来襲に頭を痛める毎日を送る事になるのだった、、、、


To be continued…..



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さわこ

Author:さわこ
在米のさわこです。売春、ドラッグ、破談などの障害を越えてようやく家へきたノッコと風太の養子縁組のお話を綴っていきます。

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